2019年9月23日(祝・月)16:30開演
英国ロイヤル・オペラ
ジュゼッペ・ベルディ作曲
指揮:アントニオ・パッパーノ
演出:キース・ウォーナー
再演監督:ユリア・ブールバッハ
オテロ:グリゴリー・クンデ
デズデモナ:フラチュヒ・バセンツ
ヤーゴ:ジェラルド・フィンリー
カッシオ:フレデリック・アンタウン
その他は画像参照
お昼はオネーギンのプレトークでお勉強、夕方からオペラを観れるなんて幸せですわ。
18日に凄まじい衝撃を受けたファウストを引きずりつつ、チケットを購入。
本当は観る予定ではなかったのですが、「じゃあこの人たちが作るイタリアオペラはどんなもんだい!」と思ってしまったのでね。チケット残ってましたし、行くしかないですよね。
オテロは新国立劇場の公演で一度見ただけです。あまり好きな演目ではありませんでしたが、今回の観劇で印象が変わりました。(というより新国で観た当時の私が全く勉強できていなかっただけですが。)
ベルディオペラって生で全然観たことないっす。あら大変。
では感想をー。
ファウストと打って変わってオーケストラが迫ってきます。
「そういう演奏もなさるのですね!?」と言いたくなるような激しいオーケストラ。
オテロのオーケストラの方が私は好きです。
ソリストは総じて「喉強っ!」と思いました。「すごい出し方するなー。」と思ったとことがときどきありましたが、最終日なので疲れが出てたということにしておきます。
頭声になりきれてない声が飛んできましたが、音は外さない。良いか悪いかは別としてプロ意識を感じます。
1番調子がよかったのはタイトルロール、オテロ役のグリゴリー・クンデ氏。
デズデモナとの幸せ重唱と浮気に苦しむ歌唱、色々聴かせてくれました。1幕の幸せ重唱(何それ)の最後は何と後ろを向き、歩きながらの歌唱。衝撃。後ろ向いてるのにちゃんと声が届く。すごい。衝撃。
この演出ではオテロ以外も寝たり、覆いかぶさったりして、歌う体勢が面白いところがありました。声の響きには影響なかったと思います。
大きなアリアがないのにこれだけ忙しいのも大変だろうな。感情を見せつつ歌唱を崩さないということをプロのオペラ歌手は当たり前にやりますが、本当に大変なことですよね。
デズデモナ役、フラチュヒ・バセンツ氏の『柳の歌』は素晴らしかった。拍手する間がなく、そのまま次に行ってしまいましたが大拍手です。
ピアノ(piano)が上手い。
4幕までは、オーケストラの音にかき消されて声が届かなかったり、何かに引っかかってるような発声で正直「微妙?」と思ってしまいましたが、『柳の歌』で完全に巻き返したと思います。ソプラノ・スピントかっこいいなー。
合唱とオーケストラのピアノ(piano)も綺麗でした。これはファウストの時にも思いました。
舞台面だと幕開きが1番衝撃でした。
指揮者への拍手なし(記憶違いだったらすいません)でヤーゴが登場し、オーケストラの音と同時に後方の幕が落ち、合唱団の登場。
ベルディどーーーん!!
かっこいいー!!!(語彙力)
書いてて思い出しましたが、オテロの幕落ちとファウストの舞台最前正面のお立ち台(お立ち台ではない)だけ見るとどこぞのビジュアル系のライブみたいですね。
舞台は終始暗い照明。暗い照明だと観にくくて仕方ないときもありますが、オテロは気になりませんでした。二階部分に出窓(出窓ではない)があり、デズデモナが登場したり、オテロが聞き耳を立てるときに使ってました。
オテロが出窓から歌った時に響きが全然違うものになり(出窓からの方が綺麗響く)、場所によっての違いが勉強になりました。
羽が生えてる三越のライオン(違うよ)も3幕のあの数分のためにだけ持ってきたのですね。金かかっただろうな。
まとめ。
ベルディオペラの演劇性を少し理解できた気がします。
音楽がこんなにドラマチックなことに全く気づいていませんでした。今まで気づかなくてごめんなさい、ベルディ先生。
演技は少なめでしたが、音楽がそれを解決するので、これくらいがいいのかもですね。
オペラだからって何でもかんでも演技すればいいわけでもなく、紋切り型や棒立ちになりすぎても駄目で、音楽との足し算引き算が大事なのですね。勉強になった。
舞台上で起きていることばかりに注目しがちですが、「音楽の動機で動く演技」が理解できた気がします。
ベルディオペラおもしろいぞー!
日本にいながら英国ロイヤル・オペラを観ることができ、しかも2演目も観ることできて本当に幸せでした。
さてさて、新国オネーギンのターンですよ!!!!!!