2022年3月10日(木)19:00公演
椿姫
新国立劇場オペラパレス
こんにちは。新国立劇場。
行くたび行くたびに久しぶりって言ってますね。
来シーズンは楽しそうだからいっぱい行く予定。
予定は未定。
はい、椿姫ですよー。
みんな大好き椿姫ですよー。知らんけど。
オペラ=椿姫感じはありますよね。
チケットもボエームと椿姫は売れ行き良さげだなって思っている。
オペラの歌=乾杯の歌って感じもある。
コンサートやテレビで聴きすぎてオペラの中できくと若干冷めるんだよね。
なんだろうね、良くない傾向だな。
そんな椿姫です。
新国立お馴染み演出ですよね。
私ははじめて観ます。
演出の話は後日に更新したいので、今回は触れませんが、いつも新国の写真を見て「ヴィオレッタ!腕にとろろ昆布巻いてる!!」って思う。
ごめん。
当初のキャストはルーマニア出身のソプラノ歌手(アニタ・ハルティヒ)。ですが、日本入国後の隔離的に無理とかなんとかで来日かなわず。代役として、我らが、中村恵理さんがヴィオレッタとして登場です。
当初のキャストでは観にいく予定ではありませんでしたが、「中村恵理さんなら観に行くしかないでしょ。」とチケットを購入。
椿姫は過去も今も、素晴らしい録音・録画が残っているし、演出も内容の時代に合わせてものから、現代版演出など、本当に色々なものがあって困ります。私は、ウィリー・デッカーの演出がお気に入り。衣装も良い。有名オペラだからこそシンプルに、かつエッジを効かせても勝負ができる感じが良い。ネトレプコの美しさも磨きがかかってるね!
まあ、そういう感じでオペラを観る人の多くはお気に入りの演出があり、かつ、椿姫は意見が色々あるだろうなってことですわ。キャストだけでなく、演出・オーケストラ・合唱すべてに期待してしまう。お金出すからにはいいものが見たいので。
そして、プリマドンナの必修科目じゃないですか、ヴィオレッタ。
こっちのハードルも上がるじゃん。「ソプラノたるもの、ヴィオレッタ歌えなくて〜」って言葉もありますから。(ない)
でも、中村恵理なら見る価値があるのではないか?と思って初台へ。
観劇は初日。感想を書いている今日は千秋楽日!
おめでとうございます。
全体として
でた!新国名物!小さくまとめる!!
初日の感想はこれに尽きるかな。尽きないからまだ書くけど(?)。
2階席で観たので、余計そう観えたってのもあるけど。
私、2階席苦手なんですよ。音は良いのだろうけど。2階席ってオペラ(とうか舞台作品)を観ているというより、劇場を観ている感じになってしまって、なんか集中できなくなってしまう。
まず、序曲が「スンッ」て感じだった。(は?)
綺麗だよ。すごくよくまとまっていて、邪魔にはならないし、今回の演出は序曲中も舞台上では演出があったので、それとの調和を考えているなら良いと思う。でも、パンチがないよなあ。微炭酸だった。微炭酸ってわかって飲めば美味しいけど、普通の炭酸だと思って飲むと、あれ?弱い?ってなるじゃんか。そんなところやで。
ヴィオレッタの「T'amo〜」にあたる部分はもう少し、スタッカート強めが好きだな。
でもなんか、胸を締め付けられる切なさはあった。好きだな。
歌手も、全員本調子ではないのかなって思った。初日だから色々探りながら歌っていたのかもしれない。アルフレード(マッテオ・デソーレ)とパパ(ゲジム・ミシュケタ)は新国立劇場初登場だから本当に探っていたのかもしれない。いくら本番環境でリハとかゲネとかやってもお客さん入れると変わるしね。日本人の反応もわからないかもだしね、
合唱はいつも通りだったけど。
3幕でジュリアナ東京が誕生してて笑った。
日本人に大きめの扇持たせるとディスコになっちゃうからな。
後、新国の合唱ってドレス着るとみんな動きが硬くになるよね。面白いけど。
中村恵理
正直に言おう(いつも正直だけど)。
ヴィオレッタ、初日は上手くなかった。
蝶々さんであれだけ歌えていた彼女でさえ、届かない存在なのかヴィオレッタ。そんなに難しい役なのか。
(これ、蝶々さんの感想ね。)
mishimashikahika.hatenablog.com
高音押しまくり、無理矢理出しまくり。
確実に本調子ではないのだろう。蝶々さんで聴いた、喉にストレスのない高音はどこへ?中音あたりは角はないけど芯のある、彼女の魅力の詰まった音なんだけど、そのまま高音へはいかずに響くところが変わってしまう。中村恵理でも押すんだなって思っちゃったよ。
なんか、私が悔しいんだよね。
蝶々さんは本当に上手で、今日を生きていることに感謝するレベルなのに、今回はなんでそんな歌い方なの?
歌手が(というより全ての生き物が)常に100%のパフォーマンスができるとは思ってないけれど、中村恵理を持ってしても発声は崩れるし、うまく行かない時は押すしかないんだなああと。
「Sempre liberta」の高音の押し具合は顕著だった。その所為で流れが汚くなるし、終わりの方はよくわからない崩れ方をした。意味不明に不安定だったぜ。
蝶々さんの時にもかいたけれども、低音は本当に綺麗。
胸に落としすぎず、頭声にこだわりすぎず。ミックスでうまく歌う。3幕の「E tardi!」は痺れたぜ。(セリフやん)
後ね、全体を通してアルフレードが上を歌う(ヴィオレッタがハモリに回る)時のはまり具合が半端なかった。ソプラノの低音の使い道のなさはあるけど、中村恵理の低音は絶品だぜ!!
アルフレード
久しぶりにストレスのないテノールの歌を聴いた。イタリア人のイタリア語いいね!
全然ヴィオレッタのこと好きじゃなさそうだったけど、千秋楽(今日)までに好きになってね。
ストレスなし、ツッコミなし、だけど記憶もなし。
ごめんね。
パパ
パパはさ、出だしの音から1フレーズがすごく綺麗。最初の呼吸からレガートに歌い切る。だけど、そこまで上手なんだけどさ、次のフレーズに行くと、謎のテンションがかかる。2フレーズ目から、押して歌うのはなんでだよ。逆に難しくないか?だから下手に聞こえるってわけではないんだけど。なんだろうね?2フレーズ目から芝居かかっちゃうんだよね。声は届くからいいのかもだけど、できたら1フレーズ目のような流れる歌を聴きたい。「お?そうくる?」ってなっちゃうんだよな。
その感情表現みたいのやつはアルフレードに半分あげろ。
帰りにすれ違う人たちから、満足した感想が聴こえてきたので、それはよかったって感じですが。
中村恵理はこんなもんじゃないはずなので。
ぜひ、何かの機会にまた聴いてみてください。
では、千秋楽行ってきます。