2019年12月2日(月)18:00開演
マリインスキー歌劇場
チャイコフスキー・フェスティバル2019
マゼッパ
スペードの女王から1日空いてのマゼッパの観劇でした。
頭が追いつかない。スペードの女王のこと整理できていない。もっと間が欲しかったな。でもマリインスキーは次の公演があるので待ってはくれない。私が行くか行かないかなのだ(?)。
私は1日空いてますが(体感は3時間くらいですが)公演としては3日間連続でオペラ。うち1日が演奏会形式だとはいえ相当な体力が必要でしょう。ゲルギエフはもちろんのこと歌手も3日間全てに配役がある方もいますし。集中力や精神的な部分も求められるでしょうに。プロってすごいな。
さて、マゼッパです。
チャイコフスキーのオペラ作品の1つとして認識していました。実際に生で聞くことはないだろうと勝手に決めつけてました。が、しかし、実際に聞く機会がくるとは。しかも日本で聞くことができるとは。感謝。感謝。
17:20会場でしたが時間通りに行かずに「ただ今ロビーまでのご案内です。」とアナウンスありました。リハーサルが長引いたのかな。休憩も2回から1回に変更がありました。偏見かもしれませんが、クラシック音楽の公演って予定通りにいかないこと多いですよね。生き物って感じで好きです。
指揮者ゲルギエフ氏登場後にアナウンスあり。
「この演奏を先日亡くなられた指揮者ヤンソンス氏に捧げる。」とのこと。
会場全体で黙祷を捧げました。ゲルギエフをはじめ多くの方のヤンソンス氏に対する敬意を感じました。
では感想です。歌手のことは別で書くので今日はそれ以外。
演奏会形式
演奏会形式って苦手なんです。演奏会形式でやることができるなら値段多少あげていいから普通にやってほしい派(派?)です。私はお芝居としてオペラを楽しむことが好きなのです。(正しいオペラの見方かどうかは知らない。)
歌手が入場して、椅子に座って、自分の歌唱パートのときだけ立ち上がり歌う。
苦手。
オラトリオなら良いのですオペラ作品の演奏会形式は私が見たいものとなんか違うなとなってしまいます。(多分集中力の問題)なので舞台セット持ってきて、衣装持ってきてと願ってましたが叶わず。(当たり前)「音楽に集中できる!」といいますが「オペラとして観せて!!」ということです。
まあ心配でしたよ。自分の集中力が。でもマゼッパは次いつ聞けるかわからないし、ゲルギエフが降るチャイコフスキーが大好きだから行かないわけにはいかなかった。
いざ始まってしまえば何も気にならず。全然オペラだった。全く持ってオペラだった。演奏会形式詐欺だった。棒立ちではありませんし、お芝居もします。ちゃんと殴られるし刺されます。演奏会形式ってなんだよ。舞台セットなし、合唱団もステージ裏の客席(所謂P席)にいますが何も気にならず。
歌手陣のレベルの高さのおかげか、オーケストラの文句なしの演奏のおかげか。演奏会形式ではなくオペラとして楽しめました。(なのでタイトルも【鑑賞】ではなく【観劇】にしました。)
合唱
歌の感想の前に。
楽譜の持ち方、座るときの姿勢など統一なし。オーケストラの入場など空き時間はおしゃべりしてる。休憩明けは遅れて位置につく人が2、3人。
自由。素晴らしき自由。
日本の合唱団って整列して入ってきて、座ってるときは基本動かないイメージがあります。髪型の統一もあったりしますよね。
「怒られないのそれ?」と聞きたくなる。そういうところってどうでもいいのでしょうか。むしろこっちが普通?自由すぎて面白かった。嫌いじゃない。
そんな自由な合唱団さまですが、歌は天下一品。神さまありがとう。
1幕1場の女声合唱は柔らかく優しい声にふわふわしました。譜面を見ながら歌ってますが、結構皆さま表情豊かでしたね。心地よい声。
その次の合唱(コチュレイとマゼッパが話しているところ付近)では男声も加わり力強い歌唱。その後も迫力満点で進む。降ってくる声に圧倒。フォルテ!フォルテ!フォルテ!の合唱。聞き応え十分。
打って変わって絞られた美しい響きを聞かせてくれたコチュレイ処刑のシーン。様々な表情でオペラを盛り上げる合唱団に感服。
タンバリンとティンパニ
わかったよ。わかったよ。私はティンパニが相当好きだよ。
もうね、ずっとね、かっこよかった。ティンパニがなるたびに「はい!きましたー!」ってなってました。1番最高だったのは、2幕最後のドコドコドコドコドコドコドコドコッパ!!!(音源聞いてください)の部分。音を止めた瞬間、残響がサッてフワってなりまして(擬音語すみませぬ)魂がもってかれた。もってかれてないけどもってかれた。すごい。語彙力ももってかれた。
あとタンバリン。ゴパック(民族舞踊)のタンバリンがかっこよすぎて、なんだこれ状態。かっこよすぎだろ。そんなカッコいい楽器だったのかあなたは。本当に楽器に知識がなさすぎて困る。
ハープとバイオリン
1幕女声合唱も素晴らしいのですが、掛け合いのハープがまた良い。ハープってこういう音なのかと今更学ぶ。会場後と休憩中にステージで少し音出ししていたときの音色もとても綺麗でした。
マリアが歌っているときに聞こえるハープとバイオリンがとても美しかった。マリアに寄り添うような音色。マリアって声は強めですが、オペラにおいての人物像としてはとても細い。繊細というより無知なのかな。そのあたりを感じさせる音でした。
バイオリンソロが上手すぎて最初誰が弾いてるのかわからなかった。ステージから音がするのではなく上から聞こえる、振り注いでくる音だった。上を見てしまったよ。オーケストラの中にすごい人がいるものだ。
ポルタワの戦い(3幕のオーケストラ)
管楽器も弦楽器も打楽器も強い。音が分厚い。ボーッと聞いていたら轢かれそうな勢い。
私が戦ってるのか。私も参戦してるのか。
これで3幕が終わる気がしてしまうくらいクライマックス感溢れる演奏。
圧倒されすぎて何がなんだかよくわかってないのが悲しい。
ただただすごかった。
演奏会形式だからゲルギエフの指揮をきちんと見たかったのですが、始まってしまうと見たいところが多すぎて全然見れませんでした。目が足りませんでした。指揮台使ってなかったな。
とりあえずここまで。
次回、歌手編に続きたい。