三島の見解

古の女子高生

その2【オペラ演奏会形式】マゼッパ(マリインスキー・オペラ )

師走っぽい師走を過ごしていたら師走の終わりを迎えてしまいました。

 

ああ師走。師走も終わる。

 

 

 

時間が経ってしまいましたが歌手編です。

 

 

 

 

 

 

 

マリア:マリア・バヤンキナ

役と一緒の名前!

 

 

出てきたときの美しさったらなんだ。女声合唱の方を見ながら手を振るときの優雅さはなんだ。スペードの女王でも思いましたが、マリインスキーオペラさんは劇中の手を振る・お辞儀をするなどの細かい動作がいちいち美しいんですよね。男女問わずに全員が。そういう指導を受けているのか、皆さん元々お持ちなのか、不思議。歌が上手いのは当たり前でそれ以外もいろいろできるオペラ歌手が大好きです。

 

 

 

声は力強いなかにも優しさというか儚さがある。「強い声」と表してしまうとまた違う。かなり役にに入り込ん声の色を聞かせてくれました。音源で予習した時はマリアだけでなく歌手全員が歌唱の力強さ、喉の強さを求められるなと感じましたが、私の所感を認めつつそうではない新たな強い声の魅力を発見。言葉に上手く出来ないのでもう一回お願いします。

 

 

 

マゼッパとの掛け合いも、ママ(リュボフ)との掛け合いも完璧で双方の歌唱が綺麗に聞こえる。声が喧嘩しない。素晴らしい。

 

 

 

22場、マゼッパとの掛け合いはマゼッパが可哀想に見えてきた。マリアあなたそんな弱い子だったのね。そんなに幼かったのね。その後に登場するママに「娘さんよくわかってないからとりあえず家に連れて帰ってください。」て言いたくなった。

 

 

 

3幕。演奏会形式でどのレベルの『気が狂った』を見せてくれるのかと気になってましたが、エンジン全開の狂いようでした。訳が出なくても、「マリアおかしいぞ!」と充分気づける。演奏会形式侮るなかれ。

 

 

最後の子守唄はそんなピアノで綺麗に高音出せるんですね!?ってなりました。まじかよ。なんでもできるのかよ。アンドレイの肩に寄りかかり、目を開けたまま、微笑で終幕。思い出すだけで震える。

 

 

最初から最後まで安定しているソプラノいるんだな。

 

 

 

 

 

ママ(リュボフ):アンナ・キクナーゼ

リュボフって名前良いなー。

 

伯爵夫人の本気。マゼッパで伯爵夫人もっと歌うぞーとスペードの女王終わりから楽しみにしてました。伯爵夫人ではないですが。

 

 

芝居面では様々な表情を見せる。娘が目の前から消えた悲しみの、夫に復讐を願う少しの狂気、娘と対立しながらも母親としての心を見せる22場。コロコロ変わるから母親としてブレブレじゃないかともとれますが、芯の強さがあり、全てが繋がって、マゼッパにおける母親像を見せてくれた。

 

 

 

12場のママ。「娘取られて悲しい」からの「マゼッパお前戦え」の歌唱。ママが1番強そう。ここの表情や空気の切り替え良かったな。

 

 

22場の完全戦闘体制のママ。「娘さんとお話されますよね?冷たくないですか?」とお伺いしたくなるくらい怖いママ。そりゃ旦那のピンチで娘は敵側にいたらそうなりますよね。もっと娘と話しをする感じと思いきや強い強い。

 

 

高音の上げ方はいい意味でメゾっぽくない。すかーんと抜ける。そして低音の出し方はとてもメゾらしい。私が好きな出し方できゃーってなった。

 

 

11場ママとマリアが一緒に入ってきて状態が読めずにキョロキョロしてるの可愛かったな。

 

そもそもアンナ・キクナーゼ氏が可愛い。プログラムの写真見ましたか?めちゃくちゃ可愛いですよ。絶対同じクラスにいて欲しくない。かわいすぎ。

 

 

 

 

 

 

 

男性歌手の記憶が曖昧なの一言のみ。

 

 

 

マゼッパ:ウラディスタフ・スリムスキー

2幕のマリアへの愛の歌がよかったですね。マリアに全然届いてないけどね。

年老いた人の寛大な心と頭領としての切れ者な部分を上手く見せる。

 

 

 

コチュベイ:スタニスラフ・トロフィモフ

タイトルロールよりおいしいのでは?と感じたコチュベイ。

 

全体を通して表情が良かったな。マゼッパに「ライオンに噛みつく~」のところの表情最高だった。怒った!怒った!コチュベイ怒った!2幕の登場の仕方(歩き方)でいい方向に進まなかったのがわかる。訳が出てなくてもわかる。演奏会形式ってなんなんだ。怒ったり殴られたり本当にお疲れ様です。

 

 

 

 

 

 

アンドレ:エフゲニー・アキーモフ

喉強い。最初から最後まで上手なテノールって久しぶりに聴いたかもしれない。声を張っていたような気がしたので高音ひっくり返るかと思いきや問題なし。強い。これがテノールですよー!って言われた気分です。3幕、舞台上で死んでるの大変だな。演奏会形式だから余計。

 

 

 

 

酔っ払いのコサック:アントン・ハランスキー

あの空気で歌えるの強いな。元からあるのに完全アウェイ。オペラで観たら違う感じになるのかな。

 

 

 

 

 

男性歌手すいません。素晴らしいことには変わりありません。

 

 

 

全て完璧と言って良い演奏だったのではないでしょうか。

歌手陣の安定の歌唱。演奏会形式とは言わせぬ芝居。

熱い厚いオーケストラ。

ありがとうございます。

 

 

 

 

 

次いつ聴けるのだろうか。

 

私の体調があまり良くなかったので吸収できていないことが多いだろうな。元気100倍の時にオペラ「マゼッパ」に殴られにいきます。

 

 

 

 

エストロ・ゲルギエフ 

マリインスキー オペラ

そして関係者の皆様

素敵な時間をありがとうございました。

 

今後ともよろしくお願い致します。