2023年11月21日(火)19:00公演
2023年11月22日(水)19:00公演
モスクワオペレッタ劇場
モンテ・クリスト
お世話になっております。
三島でございます。
モスクワからこんにちは(帰国済)。
21日、22日の2日間でこの世で1番好きな劇場であるモスクワオペレッタ劇場に行って参りました。
そして大好きなミュージカルであるモンテ・クリストを観劇して参りました。
好きすぎて好き以外の感想がないのですが、自身の行動記録として薄く感想を書いておきます。
それではいってみよー。
以下全て敬称略。
ロシア語をカタカナにしている部分の発音の信用性は薄いです。
モスクワオペレッタ劇場
ロシアの国立の劇場です。場所はボリショイ劇場の近くです。走って移動できる距離にあります。オリジナルミュージカルをたくさん上演している劇場であり、今回私が観劇したモンテ・クリストの他にオルロフ伯爵、アンナ・カレーニナを合わせて主力3作品(と勝手に思っている)というところです。もちろん他にも様々な作品を上演しています。劇場スタッフがつけているモスクワオペレッタ劇場のスカーフがとても可愛く販売していないのか気になります。今度は聞いてみます。古い劇場のようですが、舞台両脇に文明の力であるスピーカーが存在感強く置かれている・吊るされている姿は圧巻です。スピーカーはありますがもちろんオーケストラピットも健在です。オーケストラ演奏のミュージカルも上演しています。オペレッタ劇場という名前ですが、最近のレパートリーはミュージカル中心で私が嬉しいです。
初めて見たときのクオリティの高さが忘れられず、その時の滞在でおかわり観劇し、今現在、そしてこれからもロシア滞在の際に絶対に外せない劇場となっております。
モンテ・クリスト
音楽は録音、アンサンブルの歌も録音です。オーケストラピットは俳優が動けるように3分2くらい舞台に変身しております。オケピからダンサーや歌手が出ていたり落ちていったりします。オケピの活用度合いが高いです。アンサンブルポジションのような人々はいますが、配役上はバレエとなっておりまして、踊ることに徹しています。無理にダンス専門の人に歌わせてクオリティ下げているどこかの国のミュージカルより良い選択だと思います。モスクワオペレッタ劇場の中でも長い歴史があるオリジナルミュージカル作品であり、もちろんロシア語での上演です。字幕なし。
モンテ・クリストの公演は11月21日〜26日まで全8公演ありました。私は今回のブロックの初日と2日目の観劇となりました。ブロック初日の観劇は初めてだったのでちょっと浮ついた盛り上がりが楽しかったです。初日の特別な空気感を味わえた。コンスタントに公演があってもそのブロックの初日は特別な日になりますね。
全ての役がダブルキャストもしくはトリプルキャストとなっており、同じ作品でも演じる俳優が違うことにより感じ方や見え方が変わります。それも楽しみの1つですが、今回は2日間ともほぼ同じ俳優でした。こればかりは日程に制約のある私は神頼みで予定を決めるのでしょうがないです。キャスティング出てからでも予定決めることもできないわけではないですがちょっと不安で先に予定組んじゃう。まあ、全ての役がどの俳優でもクオリティが高いので特に問題なし。
今回の配役
(アルベール役のサーシャくんはミュージカル版オネーギン(カナダ)のレンスキーくんです。ミュージカルのデスノートの月君でもあります。因みに違う役でL役の俳優もこのミュージカルに出ています。今回は重ならず。)
21日↓
22日↓
公演の感想
つらつらと概要のようなものを書いてしまったので肝心の中身を書きます。
5本の柱に順番に照明を落としていく演出とともに序曲が始まり、無事に開演したことに安心している時間もろくにとれずにすぐに1曲目に入ります。急に明るくなる舞台上と現れるバレエダンサー達の姿にはいつもわくわくさせられます。仮面舞踏会の場面から始まる華やかな舞台上は柱が5本しかないことを全く感じさせません。舞台上の密度が濃いです。
開幕直後の1曲分しかメルセデスは仮面舞踏会を楽しめないわけで、伯爵(エドモン)登場からメルセデスのお気持ちはもう辛い。最初はノリノリなのにな。かわいそうに。伯爵登場してメルセデスと視線が合うのが最高!メルセデスだけが伯爵の正体に気づくところを全面に持ってくるのが素敵。
仮面舞踏会の場面はすぐに終わり、時代を遡りエドモンご帰還の場面になります。バレエダンサーの身体能力をふんだんに見せつけるリフト多用な振り付けがかっこいい。重力とお別れしている方々です。最初にメルセデスがエドモンの帰りを待ちながら歌って、その後同じ曲の2番をエドモンが歌う。
出だしの「Марсель〜」の声が明るくニッコニッコで楽しい。エルマーク演じるエドモンにこっちもニコニコしてします。ニヤニヤかもしれない。若エドモンかっこいい。柱の上からメルセデスに向けて手を振っているのはわかっているのだけれど私が振り返したい(迷惑)。「Моя любовь,моя Мерседс жизнь моя」の声の出し方がものすごく好き。明るく優しくメルセデスにむける声が愛おしい。エルマークは本当にお歌がお上手。メルセデス演じるべリャーエヴァは21日はピッチ低めで若干不安定でしたが、22日はお持ちの美しくちょっと暗い色気のある声がとても良く聞こえました。べリャーエヴァのメルセデスは2幕の気迫が良い。強さと弱さの塩梅がいいのだ。
エドモンが結婚式の最中に連行される場面。エドモンとメルセデスの掛け合いが良い。エルマークもべリャーエヴァも毎回打ち合わせなしでやっているのかと思うくらい感情的な動きをする。良い。連行されている最中に無理矢理メルセデスに近づこうとするエドモンも、無理矢理ついていこうとするメルセデスも良い。連行する側の動きが若干ぎこちなくなっているところに本物っぽさを感じる。もちろんお芝居ですが。
その後、投獄当時は死にそうだったのに、監獄生活満喫して(?)ボロボロなのに清々しいエドモンが面白い。隠せないキラキラ感。脱獄に成功したエドモンを海から拾い上げる場面の曲の爽やかさとエドモンを筆頭にお宝を運び出す曲の違いが好きで、爽やな船の場面から一点して、オレンジ色の夕日を思わせる照明と共に始まる沸々とした曲がまたいいのです。
ここまでが1幕で2幕から仮面舞踏会に戻ります。2幕は仮面舞踏会の場面に全ての時間を使います。どの曲も、どの俳優も素敵で体感2秒で終わるのはなんとかしてほしい。
そういえば休憩中に急にマダムに声掛けられてチケット見せられた。階違いで同じ席番号のマダムで「席間違っているのではないか?」と尋ねてきたのだと思う。どう反応したらいいのか分からず「同じ番号だね〜。」みたいなことを言いながら私の隣の席に座っていたお兄さんに助けを求めたところ「こっち(私)が正しい。」と言ってくれてことなきを得た。お兄さんありがとう。
2幕は1幕よりも体感時間か短い。1幕が仮面舞踏会までのハイライト集になっているのに対して、2幕は仮面舞踏会でのイベント事を結構丁寧に描くので、1人1人の感情の移り変わりがわかりやすく、ほぼずっと切ない。色々切なくて忙しい。エルマークが演じるときの伯爵(エドモン)は怒りに任せて色々仕掛けるが最終的に自爆してしまったように見え、脱獄からの勢いが一気に弾け飛ぶようなラストシーン間際はとても苦しい。因みにもう一人のエドモン(バララエフ)は結末をわかった上で進んでいるような哀愁がありこちらもまた切ない。
1幕で結婚式前にメルセデスとエドモンが歌っていたお歌を違うアレンジでアルベールとヴァレンティーナ(若いカップル)が歌う。それを舞台上で見ている伯爵(エドモン)とメルセデスが切なすぎる。2人ともなんともいえない表情をしているのがもうこちらもなんともいえない。若いカップルを見ていれば可愛すぎてニヤニヤが止まらないのに、視線を年長カップル(ではない)に向ける一気に切なくなるので私が一番忙しい。
ラストナンバーはいつも切なくいつも最高である。メルセデスが「люблю тебя люблю тебя」と繰り返す部分とその前後あたりが見るときによって歌い方にばらつきがある。楽譜通りではなくそのときの心に従って歌っているように感じる。カッコつけてずらしているのではなく、感情的になるが故に歌うタイミングがズレているように聞こえる。言葉が出ない、みたいな。余計に胸が締め付けられる。オペラではできないミュージカルだからこその醍醐味ですね。
エドモンとメルセデスの感想だけになりましたが、全部が大好きです。
人生初の出待ち体験
終演後に生まれて初めて出待ちをしてきました。サインを貰うという程で近い距離でお顔をみたいと思い、出待ちの計画をたてました。インスタグラムにて出待ちの写真や動画をあげている人がまあまあいたのでそちらの投稿を元に楽屋口を確認。人数が多いときは整列して順番待ちをしているようだったので、お目当ての俳優の列にちゃんと並べるか心配でした。
で、当日。観劇を無事に終え、30分くらいは出てこないだろうなあと思ってゆっくり階段を降り、ゆっくりコートを受け取って、たらたら楽屋口に向かいました。いざ、楽屋口についてみるとすでにいました。早い。化粧したままだな?終演から10分くらいしか経ってなくない?何?定時ダッシュ?と思いました。先客のお姉様がいたのですが、お姉様がいなかったら帰っていたかもしれない。危ない。お姉さまありがとう。
お姉様が楽屋口の扉の前でお話ししていただけで並び列はなく並び間違いは避けられたものの、自ら呼び止めなければいけないという試練が発生しました。いつもなら諦めるところですが、何千キロを超えてきたのにここでおずおず帰るわけにもいかない。ということで大きな声でお呼びしました。さーーしゃくーーん!!!無事に気づいてもらえましたYO。よく聞き取ってもらえたな。「シャ」の発音とか120%日本語の音でお送りしたからな。呼び止めに成功し「素敵なお芝居をありがとう。サインください。」みたいな感じでサインをもらった。ちょっと会話してくれて、中国人と思われていたので日本人アピールしておいた。ピカチュウの国から来たんだよ。2分少々のありがたい時間を過ごしました。「ハラショーヴェーチェル!」とお別れをしましたが、私のハラショーヴェーチェルは今終わったんだが?と思いながら帰宿しました。すいません。ただの挨拶ですよね。ありがとう、サーシャくん。
以上で無理矢理終わります。
永遠に感想を書いていられる。
一生ギャーギャーしていられるくらい大好きな劇場で大好きなミュージカルです。
今年最後のモンテ・クリストのブロックを観れたことはちょっとした記念です。
次はバララエフ演じるエドモンにも会いたい!モンテ・クリストのドンだから。
ではまた劇場で。
(ロシア編よ、続け。)