三島の見解

古の女子高生

【オペラ演奏会形式】METオーケストラ来日公演2024(青ひげ公の城)

2024627()19:00公演

サントリーホール大ホール

龍角散presents

ヤニック・ネゼ゠セガン指揮

METオーケストラ来日公演2024

お世話になっております。

三島でございます。

 

イギリスからアメリカへ移動です。

英国ロイヤルオペラが絶賛来日中ですが同時期にアメリカからメトロポリタン歌劇場管弦楽団も来日しております。歌手付きで。

www.met-japan-tour.jp

この来日公演はプログラムAとプログラムBがあり開催地も兵庫と東京の二カ所でした。私はプログラムAのみ参加。プログラムBモーツァルト先生のお歌は気になりましたがリセット・オロペサさんの声を今の私は求めていないので見送りました。

 

では感想いってみよー。

(以下敬称略)

 

本編の前に

ロイヤルオペラのメンバーが何人か観劇しにきておりプチ撮影会とプチサイン会がゲリラ開催されておりました。最初は誰も反応してなかったのに1人が反応したら写真!サイン!と周りの人に広がっていきました。祭みたいで楽しかったです。歌手たちも快く応じてくれました。

 

プライベートだからこの投稿では個人名は出しませんが(本人たちがSNSに載せているから問題ないと思いますが)素晴らしい歌手を近くで拝めて嬉しかったです。昨日行った!明日行くよ!みたいな会話が飛び交っており優しい世界だった。楽しかった。本日のハイライトです。

 

オペラ以外

踊る指揮者はこの世にたくさんおります。ヤニック・ネゼ゠セガンもその中の1人でネゼ゠セガンはコンテンポラリー部門の方でした。腕の動かし方が美しくふわふわと舞うようなに指示を出す。柔らかい動きが特徴的でした。と思ったらバーン!と足を踏み鳴らす勢いで指揮をしたりとネゼ゠セガンにも定点カメラがほしいくらい興味深い指揮をしておりました。

 

ネゼ゠セガンの履いていた靴のヒール部分がキラキラしておりおしゃれで素敵だなと思いました。

 

プログラムBの曲目は

ワーグナー作曲『さまよえるオランダ人』序曲

ドビュッシー作曲『ペレアスとメリザンド組曲(ラインスドルフ編)

1

2幕第1 庭園の泉

3幕第2 城の地下

4幕第2 城の一室

5 城の寝室

バルトーク作曲『青ひげ公の城』

でした。

 

前半のオーケストラのみの演奏に関して詳しいことは書けません。簡単に思ったことだけ書きます。演奏が若い。シンプルに繊細にといった感じではなくどれだけ盛るかで勝負しているような演奏でした。ネゼ゠セガン自身も若いのでそのような演奏を好んで意図してやっているのかもしれません。

 

上記2曲を聞いていくなかで「青ひげ公の城」の方が上手に演奏できそうだなと思いました。音量を大きく元気で突き抜けて演奏できる方が合う。繊細さを求めると弱さが出てしまうというのが印象です。

 

オペラ

エリーナ・ガランチャ2022年の来日ぶりに劇場で聞くことができました。大きく印象が変わることはなく落ち着いた態度と燻し銀のような華美ない歌声は安心して聞けます。今をときめくオペラ歌手ではなくキャリアを積んで大御所(一歩手前?)として求められるパフォーマンスがわかっている頭の良さが好きです。少し聞かないだけで歌い方が変わりに変わっている人もいるので2年前とほぼ変わらない歌声は嬉しい限りです。

 

高音の鋭さと軽やかではない響きはユディットが未知の場所で新しいものを目の当たりにしていく様子に合っていました。扉を開けれた!嬉しい!というような喜びの感情ではなく恐怖を抱えながらも次に進むユディットの力強さと不安定な心情がガランチャの声の中にありました。

 

低音域から中音域に上がってくるような音の移動は中音域が若干引っ込んでしまうのが気になりました。サントリーホールなので拾って響かせてくれますが音響が素晴らしくないホールだと心配ですね。来年も来日してくださるようです。楽しみに待っています。

 

青ひげを演じたクリスチャン・ヴァン・ホーンはとても良い声の持ち主でした。演奏会形式ではないところで会いたいです。

 

私がハンガリー語がわからないと言う点を差し引いても棒読み歌唱なことは否めないです。声がいい人あるあるなのでしょうがない。演奏会形式に求めるなって?求めるよ?

 

青ひげはユディットに限ってを渡すこと扉を開けることに葛藤と苦悩が見えていいはずですが、歌詞だけになってしまっていて気持ちがないように感じました。演奏会形式といえどお芝居として楽しみたかったので。

 

オーケストラの演奏は音の鳴りに関しては良かったと思います。激しく激しく激しくとお元気そうでした。オーケストラも棒読み感があり11枚扉を開ける様子というのが伝わりにくいです。扉の先に存在しているものが全て同じではないのかと思うような音楽になっていました。

 

このオペラ独特の危うさをもっと感じたかったです。セクシーやアダルトと表現すると安っぽくなってしまって語弊が生まれそうですがそのような感覚がもっとほしい。得体の知れぬ場所、よくわからない青ひげと言う人、話の結末を表現する音楽がもっとあってもいいんじゃないでしょうか。

 

演奏会形式なので客席を視覚的に納得させられないぶん音楽でいろいろ教えて欲しかったです。

 

最後に

ニューヨークという立地、3800席のバカでかいキャパ、金のかかっている舞台装置が揃ってのメトロポリタン歌劇場でありオーケストラだけ取り出して持ってこられることに大きな価値は見出せなかったです。あっちに行ってこそのメトロポリタン歌劇場だというのが私三島の見解でございます。

 

来てもらっといてこんなこと言うのはいつも申し訳ないのです。決してメトロポリタン歌劇場を嫌いになったわけではないです。ライブビューイングは行きますし歌手の実力を判断する一つの基準であることには変わりないです。

 

やっぱり現地に行ってみるべきなんだなとお勉強させていただきました。

ニューヨーク行こうぜ。

 

おしまい。

 

指揮:ヤニック・ネゼ=セガン

管弦楽:メトロポリタン歌劇場管弦楽団

ユディット:エリーナ・ガランチャ

バスバリトン:クリスチャン・ヴァン・ホーン