三島の見解

古の女子高生

【オペラ・バレエ】中国の不思議な役人(バレエ) /青ひげ公の城(オペラ)

2023年11月26日(日)19:00公演

マリインスキー劇場

バルトーク・ベーラ作曲

中国の不思議な役人(バレエ)

青ひげ公の城(オペラ)

お世話になっております。

三島でございます。

 

 

2023年11月ロシア編でございます。

この日はロシア滞在最後の夜です。再びマリインスキー劇場に向かいました。

 

演目はバルトーク先生のオペラとバレエです。ロシア最後の夜になぜハンガリー語の作品なのかと自分で何度もツッコミました。ロシア語の作品ではありませんが、日本だと上演されにくい作品(三島調べ)に巡り合うことができてよかったです。また、今回はバレエ公演と予定が合わなかったのでダブルビルにてバレエ作品を観ることができてよかったです。

 

 

では感想いってみよー。

 

バレエ

マリインスキー劇場での公演名だと

 

「чудесный мандарин」

 

ですが、日本語だと

 

中国の不思議な役人」になるらしい。英語やドイツ語だとロシア語名に近い(というかそのまま)演目名なのですが日本語はこのような仕上がりになるらしい。

 

 

オーケストラはオーケストラピットではなく舞台上におり、見た目演奏会形式での上演でした。オーケストラが乗っていても十分に踊れるほどのスペースがあります。舞台が広いです。オーケストラの前方のスペースだけでなく後方のスペースも活用しておりました。

 

 

舞台セットは檻のような鉄格子が一つだけ。檻を使ったり使わなかったりで踊り進めていきます。檻に登ったり、檻に入ったまま回転させたりと物凄い身体能力でアクロバティックな踊りを見せてくれます。古典作品とは違った面白みがありました。人間の体って良く動くのだな、と思いました。

 

 

 

男性バレリーナが順番に登場するのですが、1番目と2番目の方はオーケストラの後ろを歩いて舞台前方に登場。オーケストラの皆さんと同じ黒いシャツに黒いパンツを履いていて、手には楽器を持っていました。もちろんバレリーナなのでオーケストラの団員が踊りに参加しだしたわけではありませんが、演奏しているオーケストラの皆さんがいきなりお話の中に加わったような感じに見え踊りきと面白さがありました。

 

 

女性バレリーナライダースジャケットを羽織っているが個人的にツボです。ライダースジャケット大好きなので。下着にコルセットのような衣装でも下品にも滑稽にもならないところがお強いです。

 

 

 

オペラ

聞き慣れないもいいところのハンガリー語ですが、事前予習(なんて大層なものではない)のおかげでお話と展開がわかっていたので言語に捉われずに楽しむことができました。マリインスキー劇場の字幕って小さくない?今度はもっと前の席に座ろう。

 

 

バレエ同様こちらも演奏会形式。でもってバレエ同様オーケストラの前方も後方も使う。

 

 

舞台には縦長の布が数枚ぶら下がっており、各々の扉を開けるタイミングで布が地面に落ちます。後方スクリーンの映像も活用しながら実際には移動しないけれど次々に部屋を移っている様子がわかります。そこらへんでこの演出で上演すると「お金がない」という感想になりそうですが、歌手もオーケストラも分厚いので全くもってゴージャスです。

 

 

他の妻たちはバレリーナが演じます。マリインスキー劇場のバレエは本当に素晴らしい。オペラ観てるのにバレリーナ出てきたときが一番嬉しい。踊り出したいくらい好き。バレリーナたちの現実味のない美しさがこの物語の不思議さを加速させます。バレリーナと並んでも見劣りしないユディットさん(エカテリーナ・セルギエヴァさん)もお強いですね。踊りの場面がちょっとあり、もちろんバレリーナほど上手ではないのですが可愛らしかったです。

 

 

青ひげさん(ヤコヴ・ストリジャクさん)も素晴らしかったです。お歌もお芝居も良かったです。良い声がスムーズに体から出てくる。引っかかりも力みもなく心地よかったです。プロローグの語りと青ひげを演じるときと変化はありませんでしたが、衣装がちょっと変わったので青ひげが出てきたことがわかりました。髭が青く、スーツも青い。これ以上にないわかりやすさ。身長が高くガッシリ体型の方だったので素晴らしく舞台映えしておりました。

 

 

苦悩なのか喜びなのかわからない青ひげの表情が良かったですね。扉を開けるときの苦しそうなお芝居も良い。最後に妻たちを閉じ込めるために扉を閉めるのですが、舞台後方(オーケストラ後方)まで歩いていって視線をしっかり客席に向けたまま扉を閉めるのがめちゃくちゃ刺さりました。ドラマチックでした。扉閉めただけなのに!

 

 

歌手は2人しか登場しない作品なのに寂しいとか物足りないとか思うことはなく、歌手の技量と存在感って本当に大切だなあと思いました。

 

 

以上です。

このオペラ面白い。因みにロシア語(人名)のカタカナ表記の信憑性は低いです。

 

これにて2023年11月のロシア編を終わります。

 

 

充実したロシア滞在になりました。

この後、27日にロシアを出発する予定でしたが、機内に3時間待機後に悪天候によるフライトキャンセルが決定。それに伴いロシア滞在が1日延びました。航空会社負担でロシア延泊は嬉しいけれど何もできなかったのは切ない。もっと早くにキャンセルが決定したらマリインスキー劇場行けたのにな、と思いました。

 


終わり。