2023年9月21日(水)15:00公演
東京文化会館 大ホール
2023年日本公演 ローマ歌劇場
トスカ
お世話になっております。
三島でございます。
ローマ歌劇場来日公演「トスカ」の感想その3でございます。
スカルピアを歌ったロマン・ブルデンコさん(以下敬称略)の所感を書いてローマ歌劇場来日公演トスカの感想更新を終わりにしたいと思います。そんなに書くことないのですが。
では感想いってみよー。
的確なスカルピア
ブルデンコは2019年のマリインスキー劇場来日公演のオペラ演目「スペードの女王(チャイコフスキー作曲)」にてエレツキー公爵役として出演されてました。おかえりー。
右手にソニア・ヨンチェヴァさん(以下敬称略)。左手ヴィットリオ・グリゴーロさん(以下敬称略)。両手にとんでもない重量がかかっています。しかし、引け劣らない存在感のブルデンコ。2人ほどの華やかさはないけれど、スカルピアとしてがっしり構えた立ち姿が舞台全体を引き締めていました。3人のバランスが良く舞台映えも抜群でした。スカルピアがキラキラの華やか歌手だと話変わりそうだからな。グリゴーロにやってほしいけれど。怖いもの見たさで。テノール引退があればその後にでもお願い致します。
お歌に関しては派手さはないけれど実直に淡々と仕事をこなしていくような歌い方が聞き取りやすかったです。こちらも舞台姿同様、ヨンチェヴァとグリゴーロが派手に歌うのでここでブルデンコまで派手だとぐちゃぐちゃ一歩手前になりそうですが、ブルデンコが端正に歌うことでバランスが取れておりました。落ち着いた声が好みです。ブルデンコもイタリア語鮮明部隊からは外れるけれどヨンチェヴァよりかは聞き取れるかな。歌声がオーケストラにかき消さている頻度が高い印象。もう少し小さい劇場の方が声が届きやすいかもしれないですね。
1幕は堂々とした立ち姿が警視総監という立場ある人を思わせ舞台上に緊張感をもたらしていました。2幕は冒頭の「Alla cantata ancor〜」部分はオーケストラがおとなしいのでお声がよく聴こえ、良い声を堪能できました。トスカに向かって「Mai Tosca alla scena〜」と歌うところの笑い方がとても気持ち悪くスカルピアの嫌なやつ具合を高めていました。その後の「Dio creò diverse beltà,vini diversi〜」でワイングラスをくるくるするのがツボでした。可愛い。トスカに「Mia!」「Mia!」と迫るところが思ったよりお上品だったので、もっと気持ち悪いやつアピールしてほしかったですね。ここは全力で気持ち悪い方が良い。その後のトスカのお歌を舞台端で静かに聴いているのも可愛かったです。
以上です。
とても楽しい時間を過ごせました。
椿姫とは違い音楽もお芝居も楽しめたクオリティの高い公演でした。
ありがとうございました。
ではまた劇場で。