三島の見解

古の女子高生

3回目【オペラ】エウゲニ・オネーギン(新国立劇場)

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2019109()18:30 開演

新国立劇場オペラ公演

エウゲニ・オネーギン

新国立劇場オペラパレス

 

 

 

演出:ドミトリー・ベルマン

指揮:アンドリー・ユルケヴィチ

オネーギン:ワシリー・ラデューク

タチヤーナ:エフゲニア。ムラーヴェワ

レンスキー:パーヴェル・コルガーティン

グレーミン公爵:アレクセイ・ティホミーロフ

 

 

 

 

 

新国立劇場の今シーズン最初の演目が終わってしまいましたね。

私、三島はあわせて3回観劇し、4公演目にあたる9日で千秋楽より前に新国オネーギンとお別れを致しました。(最終日は中止になってしまいましたので実質千秋楽だったのか)

 

 

同じオペラ演目を複数回、連続して観たのは初めてです。(ミュージカルはある)

そのあたりもいろいろ感想を書きたいのですが別で書くとして、今日は9日の感想を書きます。

 

 

3回目だからな、どうやって書こうかな。

最後なのでキャストも書きました。

 

 

幕順ですね。2回目と一緒。ネタ切れだったりするので簡単にかければ良いな。

3日目は歌を聴くことを目標に観劇したつもりです。なのでお歌の感想が主です。いや嘘です。

あくまで私の感想です。

 

 

 

ではどうぞー。

 

 

 

 

 

 

序曲

6日の方が上手かった感があるが今日もそれなりに鳴ってました。何回か「ん?」となるところもありましたが覚えていないので、そんなに気にならない程度だったのだと思います。3日はよりは全然良い。3日はなんだったのか。ただ私の頭がおかしかったのではないのか。

 

 

 

 

 

11

タチヤーナとオリガの二重唱。6日よりも良くしていましたがオリガの声が埋もれるなーといつも通りの感想。ラーリナ夫人とフィリッピエヴナが加わっての四重唱になるとオリガさんフェードアウト。1人で歌っているときの響きは悪くないとは思うので声量の問題でしょうか。

 

 

 

ラーリナ夫人は今日が1番上手でした。アースラ夫人(三島ブログ内人物解釈参照)とか言ってごめんよ。でもビジュアルはアースラだよ!ラーリナ夫人とフィリッピエヴナに関しては3日目でいろいろ気づいたことがありました。が、3日目の感想くらいすっきりさせたいので別で書こう。(2日目の感想が気持ち悪いのを反省)

 

 

 

合唱は今日もカット。

合唱のカット自体は受け入れます(諦めた)が、タチヤーナの歌唱の入りが合唱有りの方がやはり美しい。元気な合唱が終わった後の方にオケがスーーッと入ってくる方が綺麗に聞こえる気がします。合唱カットは時間の関係がステージの広さの関係というところでしょうか。音楽的意味はなさそうです。

 

 

 

ラーリナ夫人のタチヤーナへの接し方とオリガへの接し方の違いが1番よくわかるのがこの場面ですね。椅子に座っているラーリナ夫人にタチヤーナが膝をついてハグをしてもラーリナ夫人は頭を動かすだけで体をあまり動かしませんが、オリガが同じことすると上半身全て使ってオリガに接していました。全然対応違う。タチヤーナが可愛くない、嫌いなのではなくオリガが可愛いからタチヤーナに対して冷たくなっているのではないでしょうか。

 

 

 

オネーギンとレンスキー登場。オネーギン役のラデューク氏が絶好調すぎてびっくりしました。9日は上の席での観劇(3日と6日は1階席)で声の響きがわかりやすかったので気づきましたが、ラデューク氏だけ明らかに声が響く。声量の関係もあるかと思いますが、本当はこんなに上手だったのね、と思いました。9日までのはなんだったのか謎です。

 

 

 

3日では四重唱前でオネーギンがオリガにアイコンタクト取っていましたが今日はありませんでした。好きだったから少し残念。四重唱はやはりオリガ消える。ラーリナ家の四重唱よりは聞こえますがオリガも歌ってるのねー、くらいにしか聞こえませんでした。ざんねん。

 

 

 

 

レンスキーのお歌。微妙に上手くなっている。とは思う。コルガーティン氏まだお若いことがわかりまして(Google先生にきいたら32才だって)、この年齢ならそんなものかって思えなくもない。けどそれでいいのかとも思う。

 

 

 

フィリッピエヴナの独白に入る前、オネーギンとタチヤーナが捌けるとき、オネーギンがジャム舐めてるの可愛い。(ここだったっけ)

 

 

 

 

 

 

 

12

手紙の場は6日のほうが良い。だいぶ疲れが出てきている気がします。ベッドへ移動する前の伸ばすところが途中で切れてしまったようにきこえました。息が続かなくて通常より短くすることもありますが、ブツ切れだった気がします。

今回の場合は息が続かなかったというよりはベッドに移動するという次の動作を考えすぎたのではないかと思います。全日(私が観劇した3日間だけですが)を通して音楽の変わり目と動作と動作の間が埋めることができておらず、お休みの時間が生まれるなと思いました。オケと演出と歌手のバランスがあまり良くない。

 

 

 

13

説教のお歌。声が綺麗に響いているのって聞いていて本当に気持ちいい。拍手がなく次にいってしまったのは残念だったと思いますが、私は繋げて拍手なしで繋げてほしい人なのでそれでよかったと思ってます。でも歌手としては拍手ほしいよね。オネーギン拍手もらえるところここしかないしな。

手紙を返せずに、タチヤーナが去っていった方向を見つめているのが良い。本当に優しい優しいオネーギン。今、別の演出を見たら「オネーギン冷たっ!」と思ってしまうでしょう。ラデューク氏は優しいオネーギンの担当者になってほしい。ビジュアル的にも優しい方が似合うのではないでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

21

合唱は相変わらず上手い。3日間とも安定していて、合唱がオペラ全体を大きく支えていたと思います。

 

トリケは思ったより声が飛んできましが、やはり聞く努力をしなければならない。今までトリケで聞きにくいな、と思ったことがなかったので 腑に落ちないというか変な感覚です。倒れ方だけ異常に上手いんですけどね。

 

 

 

トリケの歌の2番に入った頃に、タチヤーナが席を立つのですが、進行方向にオネーギンがいて鉢合わせになります。数秒見つめ合う2人がとても気まずそうでとても良いです。タチヤーナが去った後オネーギンが追っかけて行くのもよいです。ただ、その後でオリガと戻ってくるという謎。タチヤーナはどうしたんだ!!

 

 

 

レンスキーの「в вашем доме~」は安定的に上手。今回はこの歌の時に合唱を見ていたのですが、表情がとても上手でした。全く心配などしておらず、むしろ楽しそうでした。2幕の合唱団の演技・演出は好き嫌いはあると思いますが、とても現実的な演出でよかったと思います。

 

 

 

 

 

22

レンスキーのアリアに関して。高音に上がる時の経過音みたいなものは気にならなくなりましたが、低音が響かない。というより捨てたというような感じでしたね。「желанный друг ~」からも6日の方がよかったなという印象。あわせてオネーギンとの二重唱の高音も上がりきらないまま通過。6日は裏返っていたのでそれよりは良いが気になるところでした。

 

 

 

ザレツキー将軍から銃を受け取る時にオネーギンが3回くらい躊躇するのをこの日は確認しました。一方レンスキーは迷わずに銃を取る。22場の対比はわかりやすく良い。

 

 

 

決闘のシーンで、レンスキーは舞台後方に行くのですが、オネーギンがなかなか構えないのでレンスキーが前方に歩いて来てそこを撃たれて(誤って撃ってしまう)しまいます。ここのレンスキーが近づいてくるときの表情がこの日は「決闘を辞めにしよう。」と言いに行くように見えました。「間違っていた。こんなことは馬鹿げてる。」と言いたそうでした。初めてそう見えたのですが、それもありですね。

 

 

 

 

 

 

31

年数が経過しているのを演出でどうわからせるかが、3幕の難しいところだと思います。私が今まで見て来たもの(映像を含め)だとオネーギンはあまり変わらず、歌詞の訳を見て年月の経過を確認できるものが多いなと思っていたのですが、ラデューク氏のオネーギンは年を重ねた感がありました。

衣装の変化もそんなになければメイクを大きく変えた訳でもなさそうですが、疲れているように見えました。合唱が黒の衣装で無機質な踊りをしているのに対し、オネーギンはフラフラと会場に入り、定まらない感じで歌い出すからでしょうか。オネーギン自身から年月の経過がわかるの上手な演出だな思いました。

 

 

 

 

グレーミン公爵はずっと安定。ありがとうございます。

アリアのときはタチヤーナの表情に注目していました。ティホミーロフ氏が上手だから聞こうとしなくてもスッと耳に入ってくるのです。だから聞きながら他のことに注目できました。

タチヤーナがずっと苦しそうなんですよ。泣いてるし。初日所見の人物解釈( ブログ内人物解釈参照)と合うなと。自分は愛してないから愛してるとい言われることが苦しいのかなと思いました。アリアの最後にみんなでグラスを持って乾杯をするのですが、グラスの音でタチヤーナがビクッとするのです。都会にもなれない、上手く馴染めていないのかな、と思いました。

 

 

 

グレーミン公爵がイスに座り頭抱えているところにタチヤーナが寄り添いに行くのは、妻の役割とグレーミン公爵の気持ちに同情しているのかなと思います。ここのグレーミン公爵の表情が良いのです。驚いているような安心しているような。このグレーミン公爵とタチヤーナの関係性(私の解釈ですが)は本当に良いです。後で関係性ランキングつくろう。オネーギンとタチヤーナが話した後、退場するときにグレーミン公爵がオネーギンにアイコンタクトを取るのですが、それはただ単純にカッコよかったですね。

 

 

 

オネーギンの手紙の場もとい独白。

Увы сомненья нет~」の下降音型が上手すぎて、もう100回くらい聞きたくなりました。いい意味で軽くふわっふわっと降りてくるんですよ。音が浮いている訳ではなく、滑らかで綺麗に降りてくるのが本当に上手で。地味ポイントですがとても良かったです。

 

 

 


 

 

 

32

調子良かったと思います。タチヤーナのムラーヴェワ氏は3幕のために1幕は少しセーブしているのかなと思いました。多少の疲れは感じましたが、32場が1番声が乗っている気がします。

 

 

 

オネーギンの最後の独白は3日とも良かったですが、今日は特に最後の長い音がとても響いていました。素晴らしかったです。

 

 

 

 

 

 

 

3日目の感想でした。

ラデューク氏の本領発揮というところでしょうか。1人だけ響きが違いました。

 

後まとめを書いて新国オネーギンとお別れしたいと思います。