三島の見解

古の女子高生

【コンサート】リセット・オロペサ&ルカ・サルシ 華麗なるオペラ・デュオ・コンサート

 

2022年9月23日(金・祝)15:00公演

旬の名歌手シリーズ2022-Ⅲ

リセット・オロペサ&ルカ・サルシ 華麗なるオペラ・デュオ・コンサート

東京文化会館

 

 

 

 

 

 

 

おはようございます。

こんにちは。

こんばんは。

 

 

 

 

 

この日も元気に東京文化会館でございます。

あれ?また台風ですか?この前も同じことを言いましたね。

 

 

 

 

 

 

上野駅周辺は人がいつもより多く三連休であることを思い出しました。

台風でもなんだかんだで世間の皆さまはお出かけするのですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ディエゴの不完全燃焼コンサート〜原因はこっちにある(と思いたい)〜」を引きづりすぎていて体が不調なのですが(流行りのやつではないです)、この日もこりなくコンサートへ。リセット・オロペサもルカ・サルシもめちゃくちゃ好きな歌手というわけではありませんでしたが、ソプラノとバリトンのコンサートが好みじゃないわけないと思い購入。プログラムも好きな曲が多い。しかし、演奏予定だった仮面舞踏会が外れた。一番楽しみにしてたのに。諦めるけど。

 

 

 

 

最初は「チケットの売れ行き悪くない?」と思っていましたが、当日の会場の入りはまあまあだったかな?

 

 

 

 

 

 

 

では感想といきましょう。

 

 

 

 

 

 

登場から泣ける

ディエゴでの不完全燃焼を解消するという裏テーマがある(ないです)本公演。誰が主役だかわからない登場をしたディエゴに比べて、オロペサは華やかオブ華やか。ファンでもないのに登場しただけで泣いてしまった。安心した。間違いなく本日の主役。「私がオペラ歌手ですよ。」と登場しただけでしっかり主張。これでこそオペラ歌手。第1部のドレスは白のオフショルで裾はエンパイアとAラインの間くらいの広がりかな?Aラインでいいのかな?とにかく似合っていた。オロペサは宣材写真よりも本物の方が可愛いという珍しいパターン。もう一人の主役サルシは貫禄たっぷり。カタギの人じゃない感。迫力あり。大御所指揮者。あれ職業変わっちゃった。迫力はあるが、曲によってはとてもお茶目でユーモアのあるお芝居をしてくれたし、挨拶の仕方も丁寧で素敵だった。指揮者に対してもオーケストラに対しても敬意がある。独りよがりでない。

 

 

 

 

 

 

 

 

3要素の調和まじ大事

ディエゴでの不完全燃焼を解消するという裏テーマがある(ないです)本公演。(2回目)

 

 

歌手・指揮者・オーケストラの空間共有ができているか、調和しているか、が課題(?)。

 

 

とりあえず、オーケストラがよかった。鳴っていた。きちんと演奏していた。本当失礼だよね。プロに対しての感想ではない。それに指揮者も団体も19日とは違う。でも、当たり前に音楽の中身に集中できる演奏をしてもらえることに感謝しておく。弦の鳴りがまず良い。緻密ながら大胆。特にビオラがよかった。バランスがいいのかも。他の楽器の音も特にストレスを感じなかったし、何より全体がまとまっているのがよかった。音が一箇所に集中していてきちんと音楽になっていた。指揮者がしっかり指揮者だったし(当たり前)、攻撃的なことはしないが1曲1曲をおさめるところにおさめていて、しかし小さくまとめるわけでもなくて。万人受けする感じかな?私はそう思った。ストレスがない演奏が一番。

 

 

 

指揮者が歌手をよく見ている。見張っているのでなくてね。暖かい眼差しであり、歌手への敬意を感じた。そして歌手も指揮者とよくコンタクトを取る。ヨンチェヴァもそうだった。一緒に音楽をつくっている。1曲終わるごとに手をとり挨拶を交わす。それが美しく、品よく、見ているこちらが幸せになった。愛だ。愛。愛なのだ。指揮者のフランチェスコ・ランツィロッタが最後に花束をもらった後、オーケストラ前列の女性奏者に1輪ずつ配って周る姿にほっこり。幸せな空間。

 

 

 

指揮者が歌手にもオーケストラにも目が届き(それが指揮者なんだが)、歌手が歌いやすい音楽をつくる。歌手が主役のコンサートはこの形がベストだと思う。(オペラになると違うよね。)それができていて、3つの要素が調和し劇場を満たす。結果いい音楽ができる。先に書いておくけれど、ディエゴの方が歌は上手い。声種が違うから一概にはいえないけれどそう思ったよ。ただ「歌が上手い」以外に何もなかった。ソロ(無伴奏)で演奏するとき以外は調和や共有が大切だと心から感じた。痛感。

 

 

 

 

 

 

では曲ごとに。簡潔に。

 

 

 

 

 

 

1:序曲/シチリア島の夕べの祈りヴェルディ 

よかった。これといった感想はない。

 

 

 

 

 

 

2:Mercè, dilette amiche/シチリア島の夕べの祈りヴェルディ 

上手くまとまっている。若干の雑さはある。というかこの曲難しいすぎでしょ。後半の下降音型はどこまで下降するの?とツッコミたくなるくらい。高音が総じてがギリ届いているかな?という感じだったのは気になる。ただ軽く出して次にいかなければならないような部分でもある。声量を割かずにさらっとやり過ごす。音符が細いところは一つ一つの音が若干滑っていたかな。本当はもう少し上手そう。でも聴けるレベルであることは間違いない。ずっとニコニコ歌ってくれるから無性に幸せだった。出だしのオーケストラのメロディはもっと押せ押せな感じが好きだが、今回のちょっと控えめな感じもありだなと学んだ。

 

 

 

 

 

 

3:Cortigiani, vil razza dannata/リゴレットヴェルディ 

イタリア人です。優勝です。イタリアオペラって日本人ももちろんですが、様々な国のイタリア語が母国語ではない人が歌うじゃないですか。「みんなイタリア語で歌えてすごいなー。」と思うのです。しかし、母国語がイタリア語の人が出てきてしまうともう黙るしかない。言葉の明朗さ、コントロールが完全に行き届く。ネイティブの強さよ。というかコントロールがいるのか?でもって歌唱も素晴らしいときた。迫力があり、音が強い。母音が揃うので聞き取りやすい。韓国アイドル顔負けの表情管理が素晴らしい。

 

 

 

 

 

 

3:E strano!/椿姫(ヴェルディ 

ヨンチェヴァもそうだったけど負担大きめアリアを連発する。オペラ歌手ってすごいですね。オロペサはサルシが歌っているから休憩を取る時間はあるけれど、でもヴィオレッタとルチアを同じ日にオーケストラ伴奏でやるのか。全幕歌っているだけあって1曲目より余裕を感じた。お持ちの声が細めでキンキンしやすいものだと思う。日本人のソプラノに近いところがあると思った。1曲目よりかは転がっていた。高音がキンキンする一歩手前って感じは声質のせいだよね。アルフレードのところカットするのかと思ったら裏から声が!裏フレードくん!!上手かったよ!!!よかったよ!!!!

 

 

 

 

 

 

4:Di Provenza il mar, il suol/椿姫(ヴェルディ 

続いてパパ。新国パパよりパパっぽいパパだった(?)。オペラの椿姫のパパは内心を見せない人だというのを全面に出してほしい。でも新国パパの感情がどんどん前に出てきちゃうのもよかった。サルシはこれを寝起きでも100%の歌唱をします(知らんけど)。完璧。出だしの2回「Chi dal cor ti cancello?」というところの使いわけがよかった。言葉に意味が乗る。有名な曲を有名な歌手が歌う。贅沢。お芝居染みてない歌唱だったが、パパの思いが伝わってくる表現が声の中にあった。

 

 

 

 

 

 

 

5:Tutte le feste al tempio/リゴレットヴェルディ 

当たり前に演技付きで歌い始める。しっかりオペラ。自然に体が動くのだろうか?体の動きがつくりすぎてなく、近くに来たり、離れたりの移動も変な感じがない。急に「リゴレット」の世界をつくれる。衣装も舞台装置もないのに。演奏会形式のオペラにもここまで求めたいものだ。(もしくはオラトリオのようにやって。中途半端に動かないで。)「Piangi piangi  fanciulla」の言い方が優しくてこっちが泣く。ジルダとオーケストラが同じメロディを演奏するところの高揚感よかった。

 

 

 

 

 

 

6:狂乱の場/ランメルモールのルチアドニゼッティ 

オロペサは衣装を変え、水色ラメの1部と形が似たようなドレス。ドレスのラインは似ているのだけどオフショル部分から首までがシースルーになっていて、お洒落だった。ピンクがあったら着たい。ルチアは後半苦しそうだったな。慣れているのだろうけれど、疲れかな?フルートとのスーパー緊張タイムが終わって、拍手を挟んだ後から喉に上がってきている感じが否めなくなった。前半は聞き応えあり、見応えありだったし音もクリアに難曲をこなしていた。一度拍手をもらって、切った後に続きにスッと入ることができる。まあそれが当たり前なのだろうが。

 

 

 

 

 

 

7:Per me giunto/ドン・カルロヴェルディ

ドン・カルロです。圧倒されすぎて感想書けないです。いつの間にか曲が終わっていた。気迫ビシビシだった。もう1回歌ってもらっていいですか?

 

 

 

 

 

 

8:間奏曲/蝶々夫人プッチーニ

何回聴いても思うのですが、出だしのプッチーニ感がまじプッチーニ。さっきまでドン・カルロ聴いてたのに、さらっともっていくじゃん。そりゃあなた人気出ますよ(誰?)。

 

 

 

 

 

 

9:Quanto amore!/愛の妙薬

大好き。これ大好き。サルシのドゥルカマーラ。いいものを見れた。曲全体のテンポが若干乗り切らない感じはあったけれど、サルシの表現力でカバーしていたと思う。どうしても気がサルシにいってしまう。オロペサはドレスを変えた。赤いドレスにスリット入り。可愛らしいアディーナだったけれど、声がだいぶしんどそう。上がってきたのをなんとかやり過ごしているように聞こえた。音楽的にはもう少し上手くできるのでは?となりましたが、ステージにいる2人が可愛すぎてまあいいかと。サルシはこの後のアンコールまで安定した歌唱だった。もう少し整えて、軽快に演奏して欲しかったけれど。でもこの曲は25日のアンコールでやると思うのでそこで消化します。

 

 

 

 

 

 

 

本編以上。

終わりに向かうにつれオロペサが喉っぽい発声になってしまったもののステージパフォーマンスを含めると満足度は高い。

 

 

 

 

 

そしてアンコールはまずジャンニ・スキッキから2曲。

 

 

 

 

 

Era eguale la voce?/ジャンニ・スキッキ(プッチーニ

指揮者もオーケストラも声で参加するスタイル。さらにリラックスしたサルシの歌は本当に楽しい。ありがとうございます。帰らないで!

 

 

 

 

O mio babbino caro/ジャンニ・スキッキ(プッチーニ

また指輪を買ってもらうらしいです。ガランチャ、ヨンチェヴァに引き続き、オロペサも歌った。何?アンコールの課題曲?「mi piace, e bello, bello.」の高音は普通だった、ピアニッシモ、ピアノではなかった。そのまま出していた。悪くないけど素晴らしいピアニッシモの記憶があったからもう少しなんか欲しかった(欲しがるな)。本編で浅くなってしまった声が戻っていた。

 

 

 

 

 

Dunque io son/セビリアの理髪師ロッシーニ

なんかすごいグダグダだったんだけど。25日のリハーサルだったってことで良い?疲れか?ロッシーニは本当はやりたくないのか?オロペサの声もまた上がってきちゃったし、アジリタぶっ飛ばしって感じよ。ロジーナは可愛いんだけど。サルシのフィガロも可愛い。オーケストラもさっきまでまとまりが売りだったのにな。25日の演奏に楽しみをとっておきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

完璧な歌だったのかと聞かれれば、そうではないと答えますけど、

総合的に見た時にコンサートとしてレベルの高いものではあったと思います。

私はこういうのが好きなんですね。ステージパフォーマンスを含めての歌であってほしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、もう1公演があるという幸せよ。

そのチケットを持っているという喜びと安心感。

ニヤニヤしちゃうね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ではまた東京文化会館で。

 

 

 

 

ソプラノ:リセット・オロペサ

バリトン:ルカ・サルシ

指揮:フランチェスコ・ランツィロッタ

オーケストラ:東京フィルハーモニー交響楽団