三島の見解

古の女子高生

【オーケストラ】新宿フィルハーモニー管弦楽団 第84回定期演奏会

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2021年10月24日(日)13:30開演

新宿文化センター大ホール

新宿フィルハーモニー管弦楽団

第84回定期演奏会

 

 

 

おっおっおっオネーギン!

久しぶりのオネーギン!!

 

 

 

時を翔けちゃうキジムナーぶりの新宿文化センター。

mishimashikahika.hatenablog.com

 


 

新宿6丁目って新宿の奥、最果て、って感じがします。

新宿とは思えないくらい(いや、思えるけど)落ち着いていますし、心なしか緑が多い。気がする。でも歩いていくと歌舞伎町に突き当たるからそんな奥でもないし、落ち着いてないし、新宿はめちゃくちゃで最高な街よ。

 

 

 

 

 

 

 

カリンニコフの交響曲第1番ト短調チャイコフスキーのオペラ「エフゲニー・オネーギン」(抜粋)です。

 

 

はい、オネーギンです。

 

「好きなオペラなに?」って聞かれたら「オネーギン!」って答える。

ちなみに聞かれたことはありません。

寂しい人生。

 

 

 

 

 

 

では、感想を書きます。

 

 

 

カリンニコフ 交響曲第1番ト短調

オーケストラの全体的な音や音楽の表現は結構好きな感じでした。

 

悪く言えば、パンチがなく平凡な表現ですが、楽譜に対する真面目さ、真っ直ぐな音楽にとても心が癒せれた。音楽って楽譜を理解して、その上でどう自分の表現を乗せていくのか、という部分がとても大事だと思います。しかし、時々、いきすぎてしまっている、主張が強すぎる音楽に出会うこともあります。主張してナンボの世界だとは思いますが、今回の演奏のような主張が強くない音楽に心が落ち着きました。

 

 

悪い意味ではなくてね。

何でもかんでも主張すればいいってもんではないのよ。(誰?)

 

 

 

 

 

 

以降、オネーギンの音楽は微妙だったので(!)、もう一度言っておきます。

 

 

音楽の雰囲気・空気感はとても好き。

上手い・下手で分けるとすると上手には入らないのだろうけど、そこで割り切れない暖かさがあると感じました。

 

 

 

 

 

 

 

 

抜粋!オネーギン!

 

 

オリガよ!

そのマントは何なんだ?というかマントなのか?スカーフ?マント?エルサ?

最初は袖がヒラヒラしているのかと思ったのですが、多分違う。マントみたいに見えた。構造が気になってしまった。可愛いんですけどね。

 

 

 

 

 

音楽の前に、

中途半端な芝居はなんなんだ!!!

 

 

面白いよ?面白いけどね?

真剣にオペラやっているんだよね?

拭えない学芸会感。

 

 

決闘のシーンは後ろ向きに歩き出したとき、「まじか」と思いました。

そして拳銃が胸元から出てきたとき、「まじか」と思いました。

ああ、やるのか、やっちゃうのか。

 

 

レンスキーは倒れることなく、屍が歩いて退場したのはよかった。

ここで倒れる芝居は興醒めだから大正解。

仮に倒れたとして、どうやって退場するのか?黒子?担架?スモーク?

って感じでずっとつっこんでました。すいません。

 

 

別に悪くはないんだけど、なんか恥ずかしくて。

 

 

演技をするしないはどちらでもよくて、まあ、ベターにするのであれば、抜粋だから芝居はやめておけって言うだろうけど。中途半端が一番嫌いなの。

 

 

 

 

 

暗譜って大事やな。

芝居するなら暗譜をしておくれ。

 

指揮者を挟んで、2-2で譜面台が置いてあり、オネーギン→タチアナ→オリガ→レンスキーの順の立ち位置。

 

 

演奏会形式なら、片側に寄っていても、距離がめちゃくちゃ離れていても気にしないのですが、今回はお芝居が「微妙に」ついておりましたので、芝居するならもう少し移動しろよと思ったのです。

 

 

特にフィナーレね。

フィナーレは、オリガとレンスキーは退場済なので、片側に2人だけの状態。

 

 

 

空間を大きく活用して、お芝居をすれば(芝居っていうか移動だけでかなり変わる気がする)もっと濃厚なものになった気がする。片方が反対側に行けばいいんだよ。きっと1幕とのリンクとかは考えてないと思うので。オネーギンとタチアナの変化をちょっとの空間で見せて欲しかったな。

 

 

で、それができなかった理由の一つに暗譜していないことが挙げられます。そりゃそうだ。譜面持ってウロウロするわけにはいかない。譜面台も持っていかないといけないかもしれない。芝居だなんて言ってられない。

 

 

と言うことで、今回心の底から学んだ。

暗譜の有無で、見えるものが違うんだ。気をつけろ。

暗譜が大事すぎて、まじ暗譜大事!(なんとか進次郎みたいになった)

 

 

 

 

 

オネーギン

正直、全く、期待していなかった。新国イオランタのエブン=ハキヤ役で初めてお目にかかったのですが、声が全く飛ばない印象の人になっていた。ですが、今回の公演はめちゃくちゃ声飛ぶ。新国なんだったの?って聴きたくなるくらい声出てる。(新国ってホールが正直すぎるんだよねってのもある。)

 

 

 

新国イオランタの時は、繊細系のバリトンのイメージでしたが、今回の歌唱を聴いて、結構パワー系の歌手なんだなと思いました。パワー系ってなんだ?ポケモン

 

 

声は飛ぶし、ネイティブだから発音に対しての淀みみたいなものがない。聞き応えあるし、シュッとしているし、見た目も良い。羨ましい。

 

 

ただ、求めたいところとして、緻密さみたいなものが欲しいなあって思った。聴いていてイタリアオペラみたいだった。壮大に歌う感じ。声から受ける印象は、両手を広げて、天を仰ぎながら、「カルメーン!!!!」って感じだった。いけない、声種が変わってしまった。

 

 

解釈として、イタリアオペラみたいなオネーギン(何それ)ならこの歌い方でもいいのかなって思いますが、どちらかと言うと、歌に集中(声を出すこと)するあまり、役柄が二の次になっているのかなと。オペラだから歌一番でいいんですけど、もう少し、求めたいところであります。

 

 

 

 

 

 

 

手紙

タチャーナ(プログラムに合わせます)は普通。長丁場もそれなりの歌唱で乗り切った。

タチャーナの歌唱より、オーケストラのならない印象が強い。

これは単純な疲れが原因だと思った。

 

交響曲を約40分くらいやった後に、オペラなんてちょっと過酷な労働環境よ。

せっかく、いい演奏だったのに、ガタ落ちっすよ。

 

 

手紙の場は、オーケストラの誘導と、オーケストラとの会話で成り立っているものだと思っています。勝手に。伴奏ではなくて、共存。全てのオペラや伴奏と言われるものがつく音楽に言えることだと思うけれど、手紙の場は絶対に離してはいけないと思っている。

 

 

だから、片方が良いだけという状況はありえない。

歌は微妙だけど、伴奏が上手だったから良いか、という状況には、絶対してはいけないものだし、ならないものです。

 

 

抜粋オネーギン全体を通して言えることではあるのですが、オーケストラと歌手のテンポが違うんだよね。噛み合っていないという不快感。テンポ感は合ってはいるんだけど、何かが噛み合っていない感じ。合わせの時間とか、足りなかったのだろうなってこっちがお察し系音楽。

 

 

 

あと、タチャーナは指揮を見過ぎです。

誰に歌ってんじゃ。

 

 

 

 

 

レンスキー

こちらもパワー系レンスキーくん。

結構な喉発声なのですが、響いているし届いているのでまあいっかって思っちゃった。よくはないんだろうけどね。

 

一番譜面見てなかったし、2幕のアリアは好きな感じではあった。

 

 

 

 

カットカットのぶつ切り事件

抜粋って難しいよ。

オネーギンはナンバーオペラじゃないんだよ。

 

 

序曲の後、タチアナとオリガの二重唱を少しでもやればいいのに。でもそれも結構ぶつ切りで終わるな。序曲の後の、上行音形が聴きたい。

 

 

手紙の前の序曲。そこでおわるんですか?

最大のぶつ切り案件。

 

 

ワルツは演奏してほしい、ワルツは合唱なしでもいける。

てか2幕やばくね?レンスキーいきなり死ぬじゃん。

 

3幕オネーギンのアリオーゾの後奏。そこはやるんかい。そこカットで他に時間使って欲しい。

 

オリガ入れるなら、タチャーナの旦那も呼べば?

締まるよ。あの人全部持っていくから。

 

 

 

 

演奏会形式に何を求めるか、どこまでオペラとして求めていいのかって私の課題なんですけど、演奏会形式であってもオペラはオペラだからとことん求めて行きたいね!

 

 

 

 

 

プログラムに書いてある通り、新宿フィルハーモニーはアマチュアの楽団です。しかもチケットは1000円です。求めすぎてはいけないなって気持ちはあります。カリンニコフだけなら1000円じゃ安すぎるし、記事内でいった通り、実直な真面目な音楽作りが私はとても好きです。

 

 

 

ただ、ここにプロの歌手が乗っかってくると話が変わります。

オーケストラと歌ではなく、オペラとしての一体感がある音楽を聴きたかったですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

芝居は謎。

 

 

最近、新国オネーギンが笑えるようになってきた。

もう悲しまない。三島は成長しました。