三島の見解

古の女子高生

【オペラ演奏会形式】オテロ(演奏会形式) 東京フィルハーモニー交響楽団

2023年7月23日(日)15:00公演

Bunkamuraオーチャードホール

東京フィルハーモニー交響楽団

第988回オーチャードホール定期演奏会

ジュゼッペ・ヴェルディ作曲

オテロ(演奏会形式)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お世話になっております。

三島でございます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私の検索能力の低さ故か、7月はオペラ公演少なかったです。もう今月も終わりです。9月に行きたいなと思う公演が多いと思っているけど気のせいかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、致命傷から息を引き取るまでが長いオペラはお好きですか?あら、お好きですか!それなら本公演の演目「オテロ」をお勧め致します。首を絞めても歌う、剣を腹に刺しても歌う。長い!長いぜ!!これを好む人が本物のイタリアオペラ好きということでしょうか。大いなる偏見です。因みに私はヴェルディオテロは好きなオペラの1つに入りますが、なかなか死なないオペラ(というより舞台作品)は好きではありません。スパッとスパッと次へ行こう。死に際の緊張感は続かないから、弛んじゃうから。ナラボートくん(サロメ/シュトラウス作曲)やレンスキーくん(エフゲニー・オネーギン/チャイコフスキー作曲)を見習ってほしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本公演はミョンフンさん(以下敬称略)指揮による東京フィルハーモニー交響楽団さんの公演で定期演奏会だそうです。定期演奏会にコンスタントに通える人はかっこいいですね。大人って感じです。やってみたい。2022年10月に行われたミョンフン指揮によるヴェルディのオペラ「ファルスタッフ(演奏会形式)」も行きました。細かい部分で気になることはありましたが、まとまりと安定感はあったので楽しく聴くことができました。なので本公演も楽しみにしておりました。

 

 

(そのときの感想はこちら↓)

mishimashikahika.hatenablog.com

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

では本公演の感想いってみよー。

この更新では全体的な感想のみを書き、別更新にてまた感想(ちょっと細かく書ければ)を書きます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

全体的の前に

最後から書きますが、終幕後にデズデーモナがベッドから起き上がる前に照明を明るくしないでください。起き上がるのが間に合わなかったのか、とりあえず明るくしなければならないのかわかりませんが立ち上がってから明るくしないと綺麗じゃないですよね。起き上がる動作は見せるものではないです。着替えのようなものです。裏側をお客様に見せてはいけません。細かい部分な気がしますが、細かいところを埋めて埋めて隙のない舞台をつくってほしいですね。おうちに帰るまでが公演です。よろしくお願い致します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

全体的に

ファルスタッフがそれなりにまとまりがあって良かったのを思い返すと本公演はそこまで満足できず。不完全燃焼、消化不良でございます。もちろんファルスタッフは全ての演奏家をそれなりの演奏家に押し上げる力のあるサントリーホールさんで聴いたで多少の違いはあると思いますがもうちょっと求めたいところ。そもそも作品の雰囲気が違いすぎるし、ファルスタッフは人死なないしと演目上の違いも結構ありますが頑張ってほしかった。とりあえず頑張れ。まだ後2公演ある。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ミョンフンは今回はお芝居には参加せず、指揮者業に徹していました。役者ミョンフン結構好きだったから残念。オテロでは参加できる役ないからなあ。後ろ姿だけ見ていると本当に指揮をしているの疑いたくなるくらい体が動かないです。しかし、ミョンフンが動かないことによる音楽面での支障はなさそうなので、別に大きく振ればいいというわけではないことがよくわかります。指揮をする腕の位置も低く、魔法使いが簡単な魔法を使っているような振り方です。とてもスマート。必要最低限で後はオーケストラに委ねているのでしょうか?互いの信頼関係がないとできない技ですよね。歌手に対しても大きく振りかえって指示を出すようなことはなく、こちらも歌手を信じているのだなあと思いました。もしくはミョンフンにも歌手にも背中に目があるかですね。ミョンフンの謎の安心感はありがたいです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

合唱は新国立劇場の合唱団が歌っておりました。1幕の宴会の場面で突然始まった中途半端なお芝居が愛おしい。相変わらず動きがワンパターンで今日も安心。この場面を棒立ち無表情で歌う方がおかしいと思ったのかな。公演全体を見たときに一部分だけお芝居しているのに違和感を感じるタイプです。他の場面を芝居していたけれど私が気づかなかっただけ?新国立劇場合唱団は上手ということになっているけど、どこが上手なのかはっきり言えない部分があるから真実は如何に。今回1番気に入った部分は3幕の大使上陸の場面の「Evviva il Leon di San Marco!」のかっこよさですね。声が突き抜ける感じがとても良かったです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イタリア語さんフェードアウト公演にまたもや遭遇。遭遇率高めだな。7月5日に観劇した新国立劇場の「ラ・ボエーム」の歌手陣がチーム☆明朗イタリア語だったので余計にフェードアウト感を感じた気がします。気のせいであってくれ。本公演はナポリ生まれがお1人(カッシオくん)います。ということはネイティブは1人だけということです。しかしカッシオくんを含めてもイタリア語に曇りがありました。いっそアンナちゃん(アンナ・ネトレプコ)レベルまで発音しなければそういうものとして受け入れるのですが、イタリア語を頑張りたい姿勢のようなものは理解できるのでこっちも頑張らなければならなかったです。男性歌手陣は母音によって声の差ができてしまうようなことはあまり感じませんでしたが、これはきっと発音をある程度犠牲にして声を響かせることを優先させているのでしょう。もちろん声の強さが求められる部分と高音域のこともあるので発音第一とはいいませんが、それだけ歌えるのだからもう少しイタリア語をお願いしますといったところです。女性陣に関しては日本人らしい平べったさがイタリア語に反映されてしまい目を舞台から離しても日本人が歌っていることがよくわかるお歌でした。日本人が外国語で歌うときにどこまで日本語から離れられるかが大事なポイントになってきますね。「日本人が歌っているとは思えない!」が最大の褒め言葉になる。ああアイデンティティ。世知辛い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オテロくんとイアーゴくんが2人で歌っているとき、この2人に他の男性歌手が入るくらいだととてもテンポ感がよく物語の進み具合とお歌の速度があっていました。会話のキャッチボールが成立している雰囲気を出せるのがとても好きです。男性歌手は数人で歌っているときの方が声の響きがよく聴こえました。「みんなといると元気になる!」みたいな。一緒に歌うけれど、我先にと押し寄せるような歌い方ではなく、相手を見ながら自分も前へ出るような歌い方でした。1番よく聴こえたのは3幕のイアーゴくんとカッシオくんが話している(歌っている)のに聞き耳を立てているオテロくんの場面。会話している部分はリラックスして歌っているように感じました。逆に残念だったのは、同じく3幕の全員が集合したときのお歌です。ソリストが舞台上に集合しているありがたみと迫力が一切なかったです。ソリスト全員が合唱団のような雰囲気になってしまった。オペラ公演であれば舞台上に上手に配置することができますが、演奏会形式となると使えるスペース限られているしどうしても団体に見えてしまうのかなあ。ソリストなら存在感をバチバチに出してほしいですが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ファルスタッフでハードルを上げてしまった(私が勝手に)のがよくなかったですね。

人間ドラマとヴェルディ先生の音楽が合わさってくるのに圧倒される予定だったのだけれど。

柳の歌をしんみり聴く予定だったのだけれど。

 

 

 

演奏会形式といいつつ芝居あり公演でしたが、本公演は椅子並べて立ったり座ったりするオラトリオ形式(第九かな?)で良かったのでないかなあと。もっと音楽面を埋めてほしいような。声は出てるのけれど歌の薄っぺらさを感じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今週中にもう一回更新します。

ではまた劇場で。