三島の見解

古の女子高生

その2【オペラ演奏会形式】オテロ(演奏会形式) 東京フィルハーモニー交響楽団

2023年7月23日(日)15:00公演

Bunkamuraオーチャードホール

東京フィルハーモニー交響楽団

第988回オーチャードホール定期演奏会

ジュゼッペ・ヴェルディ作曲

オテロ(演奏会形式)

 

 

 

 

 

 

 

 

お世話になっております。

三島でございます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オテロの感想その2です。

主要キャラ(キャラ?)の感想を書いて終わりにします。

 

 

その1はこちらです↓

mishimashikahika.hatenablog.com

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それではいってみよー。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

耐性ゼロのオテロくん

4幕の自死の前に何度かショックで死にそうなオテロくんでした。良いように煽られている。見本のような煽られることへの耐性のなさです。可哀想なオテロくん。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

強靭な喉と声とは思わなかったがオテロを歌えるだけの強さはあった。高音域はひっくり返るギリギリのところで歌っているように聞こえスカーンと抜けるような声ではなかった。音が劇場を突き抜けるような強さで歌うというより声を広げて歌うという感じです。なので若干ぼやける。しかし無理矢理押し出すような部分はなく安定感はあった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

デズデーモナさんと一緒に歌う1幕の甘い甘い場面はそれまでの強さがなくなり弱々しいお歌になってしまった。ある程度力強く歌わないと力量発揮できないタイプでしょうか。優しく歌っているというよりかはか弱い歌声という感じでしたね。「il paradiso e gli astri a benedir.」の部分はとても綺麗でした。オテロの頭の中に楽園が広がっているのだなあと思える歌い方だった。この場面以降のデズデーモナさんと一緒に歌う場面は大体情緒不安定で甘い場面ではなくなるので、唯一の場面としてもっと聴かせて欲しかったです。キスの仕方が宝塚式(手で覆って自分の手にキスをすることによってしてるように見えるよって方法)だったのかな?なんか面白かった。

 

 

 

 

 

 

 

デズデーモナさんの殺害を決心しイアーゴくんと一緒に歌う部分はかっこよかったです。強く歌って良い場面は聞き応えがあって楽しかったです。話が進むにつれて声の疲労を感じました。あと、4幕で着ている微妙にキラキラしているガウンがなんか面白くかったです。誰か!葉巻と赤ワインを持ってきて差し上げて!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オテロくん煽りその①デズデーモナ

カッシオカッシオカッシオとカッシオの名前を何度も口に出しその度にオテロくんをイライラさせるデズデーモナさん。オテロくんもデズデーモナさんとちゃんと話し合えばいいのにずっとイライラしちゃって。最終的には殺しちゃって。もう、物騒!!

 

 

 

 

 

 

 

 

口は開いているし声量もあるのだけれど薄っぺらさが拭えない。物足りないお歌。口の中のスペースのわりに口の中の音を当てている部分が小さすぎるように感じた。口の空間全部に音を広げずに歌っている感じ。省エネ?声は綺麗なのですが平べったさが気になって楽しめなかった。歌手全員のイタリア語の発音が聴きにくかったのですが、デズデーモナさんは顕著だった。他の歌手に比べて母音が短く次の子音がすぐに来てしまう。母音の長さが保てていないことがわかりやすい。お歌がのっぺりのっぺりしてしまう。でもデズデーモナさんの声ではないのに無理矢理歌っているようには感じなかったので合っているのだとは思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなデズデーモナさんですが3幕までが微妙でも柳の歌が上手くいけば問題ないという風習があります(ありません)。1曲しか歌わないのにお客さん全部持っていっちゃうどこかのバス歌手の役のようなものです。オイシイネ!!しかし、本公演のデズデーモナさんは柳の歌で挽回できずにオテロくんに殺されました。さようならデズデーモナさん!

 

 

 

 

 

 

 

1番気になったのは下から上への跳躍のときに音の焦点が会うのに時間がかかることです。上がってから調整が入り正しい音になるような感じで正しい音になるまでに時間がかかる。上がった直後の音がぼやけてしまうのでちょっとストレスだしそもそも上がった瞬間から正しい音を出さなければいけないのでは?というところです。既に書きましたが歌声自体が平べったいのでちょっとしたブレが客席にいてわかりやすい。歌声自体がそれなりだったら多少のブレは気づかない場合がありますが本公演はそうもいかず。「Cantiamo! Cantiamo! 」の部分、1回目の「tia」の音が聴き苦しい。声に硬さしかない。デズデーモナさんのこのお歌は自分で前に前に行かなければいけない感じが強く、オーケストラを待っているとどんどん垂れていきますね。曲を引っ張っていくような歌声で聴きたかったです。その後の「Ave Maria, piena di grazia, eletta〜 」以降は棒読みMAXでよくわからなかった。デズデーモナさんの「Ave Maria」は凄まじく大好きで、ここが聴きたくてオテロを聴いているのです。なので残念です。言葉が口から出た瞬間に床に落ちるような歌い方で祈りも何もない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オテロくん煽その②イアーゴくん

お顔がイアーゴ。オテロくんのことが嫌いすぎて芝居力爆発しているイアーゴくん面白い。「Il fazzoletto…」(ハンカチ…)と言いながらオテロくんの様子を伺うイアーゴくん。ほらオテロくん怒っちゃったじゃん。煽りマスター。1つの単語だけで相手を完璧に煽ることができる。

 

 

 

 

 

 

 

この作品においてタイトルロールより仕事が多い役です。他の歌手が良くてもイアーゴくんがしっかりしていないと物語が薄れると言いますか、音楽としてはまずまずでも話の面白さが伝わらないというか。その点では本公演のイアーゴくんは仕事をしっかりしてくれる良い歌手でした。お歌の安定感は誰よりもありましたし、お芝居と音楽が分離せずに最後まで歌ってくれたのでその辺りのストレスはなかったです。歌詞が聞き取りにくいけど。1人で歌うお歌になると今までのテンションはどこにいったのかと思うほどトーンダウンしたのが気になりました。淡々と歌うのはありだと思いますが、最後に高笑いが入るのでお歌と高笑いを上手く繋げてほしいなあと。あと、オーケストラに押され気味でした。2幕のイアーゴくんのお歌は邪悪さとか胸糞悪い感じを全面にアピールできるのに。ちょっともったいなかったです。

 

 

 

 

 

 

1 幕の飲み会がどんちゃんしすぎてオテロくんがきてイアーゴに説明を求める場面のイアーゴくんの第一声が「Non so.」(わかりません。)なのめっちゃ面白いですよね。お前が1番よく知ってるだろ。何を白々しい。もう、イアーゴくんったら演技派なんだから!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カッシオくん

声が広がるタイプ。もっと甘い旋律があるオペラで聴きたい声である。レパートリーにセビリアの理髪師(ロッシーニ作曲)のアルマヴィーヴァと書いてありますがまさにそれという感じです。なんか違うオペラで戻ってきて。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

以上です。

振り返ってみたらオーチャードホールで素晴らしい演奏に出会えたことがない。

ホールが悪い?

弘法筆を選ばずでお願いします。

オペラってマイク使わないから筆は選びたいところだよね。

難しいねえ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いい演奏が聴きたければとりあえずサントリーホールへ行っておけ。

サントリーホールさんのお力をお借りしろ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ではまた劇場で。