三島の見解

古の女子高生

その2【オペラ】トスカ(ローマ歌劇場来日公演)

2023年9月21日(水)15:00公演

東京文化会館 大ホール

2023年日本公演 ローマ歌劇場

ジャコモ・プッチーニ作曲

トスカ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お世話になっております。

三島でございます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ローマ歌劇場来日公演のトスカの感想その2でございます。

オペラの感想というよりヴィットリオ・グリゴーロさん(以下敬称略)の感想になる気がします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

では感想いってみよー。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

貴方のカヴァラドッシ

グリゴーロはとっても華やか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

舞台以上に現れた瞬間に客席がわっ!とグリゴーロに引き寄せられた。今まで聴いてきた歌手のなかで1番の吸引力を感じた。グリゴーロのファンではないけれどついつい目で追いかけてしまう。圧倒的存在感をお持ちだ。トスカを歌ったソニア・ヨンチェヴァさん(以下敬称略)もスカルピアを歌ったロマン・ブルデンコさん(以下敬称略)も存在感があり真ん中3人が強烈に発光すると公演の満足度が高くなることを理解した。華やかだけれど、意外にもでしゃばりすぎずに役の立場を把握・理解した上での自己主張が良かったです。役よりも前に出てくる歌手多いじゃないですか。俺!俺!系テノールというんですけれど。特定の歌手のファンの方なら嬉しいと思いますが、私は作品のファンとして劇場に行くことが多いので俺!俺!と主張されても困ります。自分と役を上手く融合することができる歌手なのでしょう。歌手というか役者というか。舞台の上で輝く人だな。才能だ。グリゴーロのことは特別好きなわけではないのですが好きにさせてくる危険な男です。トスカの上演時間が後1時間長かったらグリゴーロガチ恋勢になっていたかもしれない。危ない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お持ちの声がとても明るい。イタリア人オペラ歌手に求めたい母音の明るさを120%提供してくれる。歌うとき常に口の中の空間が耳の位置あたりまであるような広さを感じる。押し気味に歌うことがなかったわけではないが、口の中がぐわっと開いていることによって気にならないというか所謂押している声にならない。強さはあるけれどとても柔らかい声が特殊。この2つの要素は両立するものなのか。他の人がグリゴーロの真似をしたら違う仕上がりになりそう。歌うときに手を動かしたり、跳躍する音型のときに爪先立ちになったりと体を使っているのがわかりやすい。体を使うのは全くもって正しいのだけれどもう少しわかりにくく動いてほしい。指揮者をよく見ているので客席に視線が近くに落ちてしまうことが多い。指揮の見方が上手じゃないのか指揮者に「自由すぎてどこかへ行ってしまいそうだから指揮を見ていなさい。」と言われたのか。指揮者は保護者かもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

明るい声が1幕のカヴァラドッシと合っていると感じた。トスカのことを語るときの幸せいっぱい雰囲気がこちらのお腹をいっぱいにさせる。ごちそうさまですー。突然出てきた人がアンジェロッティだと気づくまでの動作が可愛かった。頑張って思い出していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2幕の舞台セット裏で吊るされて苦しんでいるであろうときの声が、舞台セットという壁を全く感じさせない。なんなら余計にいい声で歌っているのではないかと思うくらいに突き抜けて響く。部屋に戻ってきて転がりながら歌っているのにめちゃくちゃいい声なのよ。「Vittoria!Vittoria!」も力強くて最高だった。謎の拍手がパラパラ発生していた。2幕終幕後、幕前に「はーい!あなたの!ヴィットリオくんですよー!!」と言わんばかりに両腕を上げて出てきた。なんなんだこの人は。アイドル?君は完璧で究極のアイドル?そんなグリゴーロに沸く客席。普段のオペラ公演では味わえない盛り上がり。でもなんか物凄く楽しかった。ファンクラブイベントに参加できた。嬉しい。戻るときにヨンチェヴァのドレスの裾を持ってあげるグリゴーロ。そういうところだ。そういうところだぞ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3幕は見せ場のお歌がありますね。みんな大好き「E lucevan le stelle(星は光りぬ)」のコーナーです。お歌はもう手慣れたものでヨンチェヴァの「Vissi d’are,vissi d’amore(歌に生き恋に生き)」同様に寝起きで歌えます。お歌を堪能しようと思ったのですがグリゴーロの謎の動きが面白くて違う楽しみ方をしてしまった。動き回りながら歌うのはいいのですが、振り付けのような足の謎ステップと両手の運動が愉快。ピボットターンの練習かもしれない。息の吸い方が大胆で空気を吸い込むときの音がよく聞こえた。3幕は終始悲しそうではあった。明るい声を無理に暗くすることをしなくても寂しく悲しい声の色を出せるのだな。役者だなあ。3幕最初の「Io lascio al mondo〜」の切なさに心が苦しくなりました。切ない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

終幕後のカーテンコールもあなたのヴィットリオくんにて登場。先に挨拶した歌手たちのしらけ具合が面白かった。ひたすらに客席を煽るグリゴーロ。カーテンコールこそグリゴーロの本番です。全員揃って手を繋いで前に出てお辞儀をするとき、最初は下手からヨンチェヴァ→グリゴーロ→ブルデンコの並びだったのですが前に出るタイミングで後ろに下がりヨンチェヴァが真ん中になるように移動していた。タイトルロールを挟む並びになるように動いていた。素晴らしい配慮。カーテンコールで1度幕が閉まった後、幕前に出てきて更に客席を煽る。煽り芸。煽りの達人。斜め後ろあたりからヨンチェヴァに抱きつくグリゴーロ。そういうのが危ないんじゃないか?そして塩対応のヨンチェヴァ。グリゴーロを放置してブルデンコと肩を抱き合うヨンチェヴァ。本編ではありえない展開。でもって鳴り止まない拍手。客持っているスターは強い。舞浜の耳が黒い彼とも戦えるレベル。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

グリゴーロのこと書いてたらお腹いっぱい通り越してお腹痛くなってきた。

ブルデンコの感想はそんなにないのだけれど別更新かこの投稿に追記しよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

全身から発揮される表現力と役として舞台上で生きる姿は素晴らしいです。そしてご本人のニッコニッコの笑顔は世界を平和にすると思います(適当)。オペラ歌手としてというよりパフォーマーとしてグリゴーロを好きになりました。吸引力最強。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ではまた劇場で。