三島の見解

古の女子高生

【オペラ】戦争と平和(マリインスキー劇場)

2023年11月26日(日)12:00公演

マリインスキー劇場2

セルゲイ・プロコフィエフ作曲

戦争と平和

 

 

 

お世話になっております。

三島でございます。

 

 

 

リアルタイムで書かないことによる永遠の更新遅延と戦っております。11月の話です。

 

 

 

 

この日はマリインスキー劇場2にオペラを観に行きました。新しい方のマリインスキー劇場です。場所はお隣同士です。演目はプロコフィエフ先生の「戦争と平和」というオペラですが、チケット買ってからしばらくはヴェルディ先生の「運命の力」だと思っていました。なぜ間違えていたのかわからない。どういう間違いなのかもわからない。

 

 

 

 

 

 

それでは感想いってみよー。

 

 

 

 

 

 

 

ゲルギエフ先生欠席

昼間の公演だったので、朝はネフスキー大通り周辺でお買い物をしていたら時間配分ミスでギリギリの到着になりました。

 

 

 

 

 

幸せのチョコレート買ったりしていた。

 

 

 

 

 

入口もコートを預けるクロークも混んでいて開演時間に客席に座れるかと不安でした。入口ではモタモタしましたが、クロークは係の方の捌き方がスピーディーですぐに客席に向かうことができました。迅速な仕事に感謝します。後、絶対「オペラグラスは?」って聞いてくれることにも感謝します。マリインスキー劇場2はホワイエも客席内も広く開放感があります。鬼ごっこしたい。客席と客席の間はそんなに広くないですが通路が広いように感じます。人が容易にすれ違うことができます。

 

 

 

 

この日の指揮者はロシアオペラは任せておけのヴァレリーゲルギエフ先生の予定でした。しかし開演間際に指揮者変更のアナウンスがパーヴェル・スメルコフさんが出てきました。

 

 

 

ゲルギエフ先生はスケジュール通りだった場合は

 

24日夜→皇帝に捧げた命

25日夜→戦争と平和

26日昼→戦争と平和

26日夜→戦争と平和

 

 

でした。全て4時間超え(休憩含む)のオペラです。ハードスケジュールすぎて笑う。働く指揮者。

 

 

 

ですので、26日昼公演の指揮者変更アナウンスがかかったときもそんなに驚かなかったです。もちろんゲルギエフ先生が指揮するのを楽しみにしていましたがそういうこともある。また会いに行こう。今後はモスクワでもチャンスがありそうですがマリインスキー劇場で聴きたいなあ。

 

 

 

 

 

変更アナウンスはあっさりしていて、「みんな!今日の指揮者はパーヴェルだよ!」というようなテンションで言っているように聞こえました。客席も「おお!」というリアクションが一瞬あっただけでした。日本の劇場だと謝罪から始まる気がするので文化の違いを感じました。変更理由はわかりませんでしたが、26日夜公演はゲルギエフ先生が振ったみたいです。復活してよかった。

 

 

 

 

 

 

 

オペラの感想

マリインスキー劇場公演の感想に関してはこの一言で終わる。

 

 

オーケストラさんが分厚い。

 

 

 

細い感想は書けないしこの作品に対して語れるほど知識はないのですが、とりあえず上手です。圧が強い。オーケストラピットにいるのに歌手より存在感がある。オペラなのに「歌いる?」と言いたくなるような仕上がり。マリインスキー劇場のオーケストラ恐るべし。特に休憩明けから終幕までの「戦争」に当たる部分の音楽はもうなんだかわからないくらいの圧でオーケストラを聴く上での臨場感をこれでもかとあじわった。

 

 

 

 

 

オーケストラを中心として聴けば満足度は高いのですが、これはオペラなので残念ながらお歌があります。お歌のことを考えるとオーケストラとのバランスが悪かったです。オーケストラの隙を縫ってお歌を探しにいかなければならないような客席に仕事が割り振られている。これは席の関係かもしれませんが、私が座った場所(1階席中程)ではお歌が聴こえにくかったです。最初から最後まで歌手がオーケストラに食べられてしまっているのが気になりました。演出にも食べられていた。

 

 

 

 

 

2023年2月にこの劇場で聴いたときにもお歌が聞き取りにくいな、と思った記憶があります。客席に歌手の声が届きにくい。際立ってイマイチな歌手はおらず、全員がオペラ歌手としての品質は保っているのですが、劇場内の80%しか行き渡らない声で物足りなさを感じました。こちらが聞き取りにいかなければならなくちょっと疲れました。

 

 

 

 

 

 

歌手の中で1番よかったのは伯爵令嬢役のナターシャちゃんを歌ったナターリア・パヴロワさんです。ロシア語のカタカナ表記は不安です。第一場出だしのアンドレイはよく歌えてはいるのですが、パッとしない声でぼやぼやしました。その後、ナターシャちゃんが頭上から歌い出すと舞台の焦点が合っていくような感覚になり、特別何が凄かったとかはないのですが、上手な歌を聞いた時の安心感に包まれました。ソーニャと仲良しな感じもとても可愛かったです。続いて第二場のナターシャちゃんも可愛い。1人だけソワソワしている様子に幼さがあった。なかなか相手が現れなくて大変だね。着ているピンクのドレスも可愛い。

 

 

 

 

こんな可愛らしいナターシャちゃんでしたが、第十二場は可愛さを堪能する時間もなくただ恐ろしい場面になっておりました。アンドレイが死ぬ場面です。ナターシャと一緒に踊るのですが、動くことができなくなった人の踊りが怖かったです。舞台も異空間にベッドが置いてあるような現実とは分離された世界に見え不気味でした。

 

 

 

 

 

ベズーホフ伯爵は高音はハマるんだけれど中音域が飛ばない印象を受けた。上で書いた通りでべズーホフだけの話ではないけれど特に気になった人の1人でした。同じくクトゥーゾフ将軍も声が飛ばない。聞き取りずらい。声が届かないことにより場面の迫力が落ちるというか締まらないというか。美味しい役なのに勿体無いと思いました。

 

 

 

 

第十三場はかっこよかったですね。舞台背景の建物や靡く旗がかっこいい。大人数が舞台上にいても渋滞せずに絵として成立しているのが素晴らしいです。マリインスキー劇場はこのああたり強いですよね。置物かと思ったらダンサーだったり、「お前!動くのか!」と驚きます。ただ最後の合唱はオーケストラの勝利で声聞こえずにもはやオペラとはなんなのか?と。オーケストラが充実していることは本当に素晴らしく感謝しかないのですが、私には刺激が強かった。修行が足りていないです。

 

 

 

 

舞台がかなり斜めになっていて普通に動き回れるの地味にすごい。軍の行進に乱れがなく見ていて気持ちよかったです。第二場の舞踏会は豪華絢爛ではないけれど品のある高級感がありました。ダンサー(バレリーナ)の踊りもシンプルでしたがとても美しかったです。ほんとにお得な公演だな。オペラ観に行ったらバレエまでついてくるなんて。

 

 

 

 

 

劇場内に現実を持ち込まない。現実の状況を重ねないように観劇していましたが、難しいこともありますね。銃声が怖かったです。

 

 

 

 

 

以上です。

自国のオペラを自国の劇場で自国の人が公演することの強さを感じました。

作品も演出もたくさんあっていいのですが、その中の「答えの一つ」を持っている劇場ですね。

 

 

そして自分の勉強不足も痛感しました。

リベンジ観劇します。

 

 

 

 

 

結局しっかりお顔を拝見できなかったので、橋の上にいたゲルギエフ先生を拝んでおきました。

 

 

終わり