三島の見解

古の女子高生

【オペラ】フィガロの結婚(昭和音楽大学)

f:id:mishimashikahika:20191006103849j:plain


2019
105()14:00開演

昭和音楽大学オペラ公演2019

フィガロの結婚

テアトロ・ジーリオ・ショウワ

 

 

 

大学オペラです。

芸大のコジと悩んだのですが、フィガロの方が好きなのでこちらを観劇致しました。

モーツァルトのオペラ観るの2年ぶりでちょっと悲しくなった。(自分が悪い)

モーツァルト作品もたくさん観たいです。

 

 

フィガロの結婚って国籍どこなのでしょうか。

イタリア語だからイタリアオペラっていうのはちょっと違う。(というかイタリアオペラ屋さんに怒られそう。)

モーツァルトだからドイツオペラってのも違う。(モーツァルトはドイツ生まれではないよ。)

スペインが舞台だからスペインオペラですね!!(絶対違う)

 

 

 

感想どーん。

 

 

全体

レチタティーヴォが上手

イタリア語がお上手でお上手で。

4声以上の重唱になるといきなり上手くなくなる。

周りの声聞きすぎですかね。1人だと微妙だけど、いっぱいいると上手く聞こえるパターンの方が多い気がするのですが。謎。迫力(声量)がないのかも。

 

 

指揮者

ニコラ・パスコフスキ氏。

なんかねーたぶんねーこの人めっちゃすごい。(語彙力)

 

指示が的確なんですよね。

まず、歌と合ってないとすぐ直す。今回、指揮者がよく見える席だったのでいろいろ観察していたんですけど、歌と合わないと自分で口パクして歌手のテンポを掴むんですよね。指揮に合わせるのがオペラだということは承知していますが、本番は何が起きるかわからない。特に若いキャストなので、テンパってしまうことも多いでしょう。そこをスッとカバーするというか歩み寄っていくというか。それがとても気持ち良くて。4幕はほぼ指揮者を見てました。(恋だ)

 

オーケストラの鳴り具合の調整も早く的確でした。オケはオケのところで。

 

指揮のこと何も知りませんが、一人で感動してました。

学生や若い団体を指揮することに慣れているのかもしれないです。

 

 

オーケストラ

学生オケにしては大健闘だったのではないでしょうか。

 

序曲は耳慣れしているものより、まあまあ速いくらい。オケがついてこれる最大限の速さでの演奏というところでしょうか。私は序曲は速いの大好きなので大歓迎。

 

 

伯爵夫人のアリア2曲が少し足りない印象。そもそも伯爵夫人も歌が難しいからな。オケもそうなるわな。でも元気な曲(小学生みたいな表現)はよく鳴っていました。上手だった。

 

Aprite presto aprite」がほぼ聞こえないくらい音量落としてたのがちょっと面白かった。pppp(適当でーす)くらい。静かにしてなければいけない場面だからか、もしくは確実に歌とずれるから気づきにくいように音量下げたのか。どちらにせよ良いコントロールだと思います。

 

ともあれ良いオーケストラでした。どうぞこれからも頑張ってください。

 

 

合唱

まだ学部生。頑張れ。

 

 

アルマヴィーヴァ伯爵

歌唱は安定しているし、伯爵の雰囲気もあるし、良いぞ、良いぞ。

そもそもお持ちの声が良いなと思いました。

 

お芝居も上手でした。歌っているときにほぼ動かないのですが、それが伯爵っぽい、偉い人っぽいなと。貴族はどっしり構えとくもんだ、という感じっす。合唱団が21組で挨拶に来るとこも女の子にはにこやかに対応し、男の子には早く行けってやってました。これ良かったな。対応の違いに気づいているのは客席だけ、貴族は差別などしませーん、という感じで。

 

あっ是非オネーギンを勉強してください。声的には合うと思いますよー。(オネーギンおばさん)

 

 

伯爵夫人

Porgi amor」が乗り切らない。「Dove sono」は良かったですが。

4幕フィナーレ前の「Almento io perdono」はもっとはっきり入ってほしかったな。大事な部分だし、後の伯爵の「perdono 」に繋がらない。

 

衣装安っぽすぎじゃないですか?1番いいもの着てていい人ですよね。テロテロじゃんか。伯爵に愛想つかされて新しいドレス仕立ててもらえなくなった設定ですか。細かいですね。スザンナの方が気品があるんだよな。

 

 

スザンナ

プログラムを見ると藤原の団員さん。そりゃ上手いわな。

イタリア語も1番綺麗だった気がします。ってイタリア行ってた方ですね。

 

女中なので舞台上で良く動くのですが崩れないですね。声が上がってきたときのリカバリーが早い。ブレス後には戻ってました。自分の声を良く理解してらっしゃるのでしょう。

 

気になったのが、休憩後からいきなり表情が乏しくなっていました。休憩前は可愛い可愛いスザンナだったのに。どうしたのでしょうか。伯爵とフィガロを騙したことを後悔している設定でしょうか。であればフィナーレくらいは休憩前の明るさに戻してほしかった。

 

 

フィガロ

歌唱が軽い。上っ面で歌っているような声。軽いっていうのか薄いっていうのか。レチタティーヴォはいいのですが、曲になるとボロがでる。かつ、全ての音にスタッカートがついているような歌い方。言葉をはっきりすることを優先したのかな。お持ちの声が綺麗なので聞けるレベルではありましたが。

 

指揮を見すぎているのも気になりました。指揮者に向かって歌ってましたね。指揮は見てくれていいのですが上手に見てほしい。

 

まだ院生らしいので(若い)、これからも頑張ってください。

 

 

ケルビーノ

本日のMVP受賞者でございます。

歌も芝居も完璧。すごい人いた。しかもまだ院生。

大きな世界に羽ばたいて行ってください。

応援しております。

 

 

マルチェリーナ

美人だった。(いきなり容姿)

 

歌唱はフレーズの最後がフェードアウトしてしまうタイプの人でしたが、それ以外は良かったのでは。

 

アリアでオケと少々お別れしてたけどそこはパスコフスキ氏が助けてました。まじ好き。(恋だわ)

 

マルチェリーナにしては若く美しいのですよ。(マルチェリーナはそもそも美しい女性なのですが。)

そこを生かして、所謂「いじわるおばさん」の演技はやめにして、原作に近い聡明なマルチェリーナにすればよかったのではないでしょうか。演技の方法は他にもある気がするので。衣装も1番高見えするものを着ていたし、アリアの内容を考えると気品を持ってスザンナと喧嘩(上品な喧嘩ってなんだ)してた方がすっきりまとまる気がしました。

 

 

ジーリ

安定。上手な戯け具合。

カーテンコールまでバジーリオでいてくれるのは嬉しい。

 

 

バルバリーナ

アリアの最後で何故かオケだけリタルダンド。でもそこはパスコフスキ氏がすかさず修正。素晴らしい。

 

レチタティーヴォの中で伯爵の真似をするときに音をオクターブ下げていたのは流行りでしょうか。

声が届いているのか心配。

 

 

 

プログラムには残り4役書いてありますが、出番が少ないので割愛。

 

 

 

ナンバーオペラって感想書きやすい。

私、フィガロの結婚めっちゃ好きじゃんか。

 

 

 

 

 

では帝政ロシアに帰ります。