三島の見解

古の女子高生

2回目【コンサート】ディアナ・ダムラウ&ニコラ・テステ オペラ・アリア・コンサート

2023年5月27日(土)18:00公演

サントリーホール大ホール

ディアナ・ダムラウ&ニコラ・テステ

オペラ・アリア・コンサート

 

 

 

 

 

 

 

お世話になっております。

三島でございます。

 

 

 

 

2日目のダムラウさん(以下敬称略)&テステさん(以下敬称略)のコンサートです。

 

 

 

(1日目こちら↓)

mishimashikahika.hatenablog.com

 

 

mishimashikahika.hatenablog.com

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1日目と比較しながら感想を。

では、さっさくいってみよー。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とりあえず今日も!

フルート(ピッコロ)、クラリネットが素晴らしい!!綺麗な音です。細かい音型が全くストレスなく駆け抜けていく。体にスッと入ってくる音ほど気持ちいいものはないです。素敵な音色をありがとうございます。ダムラウが登場しても、フルートとクラリネットの方を見てしまうほどよかったです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ダムラウ

1曲目のロッシーニ先生作曲、「Bel raggio lusinghier(麗しい光が:セミラーミデ )」は1日目よりはよかったが、まだ喉に力が入っている印象を受けました。しかし、アジリタ(コロコロ転がる細かい音型)部分は絶対にしくじらないですね。何かを意識して転がすというより、勝手に転がっているのだろう。そういう構造の脳やら喉やらをお持ちなのだろう。転がっていることに価値がある歌手です。アジリタ部分だけは絶対に無駄な力がかからないし響きも安定する。逆にアジリタではない部分は力みすぎたり、響きが散らかったりしてしまいあまり美しくない。1日目はアジリタ部分とそうでない部分の差が顕著だったが、2日目はそうでもなかった。このストレスがないだけだいぶ良い。ダムラウは低音を捨てる傾向にあります。「gemé,tremò,〜Ogni mio duol sparì,」部分のちょいちょいある低音域はほとんど響かず。このお歌を歌えるだけですごいのですが、あまり好きにはなれませんでした。

 

 

 

 

 

 

 

唯一のテステと一緒に歌うお歌、ドニゼッティ先生作曲の「O mio buon Talbot!(私のタルボ!:マリア・ストゥアルダ)」はテステの調子が良いからか1日目よりよく聴こえた。手の動きもそこまでうるさくない。最初の「Io chiesi grazia〜dell'ora di sangue」とテステが歌った後にダムラウが、「わかった。わかった。」というような感じで頷いていたのが可愛かった。「〜lo squallido fantasma」の後のトロンボーン(だよね?)の「デデーン」という音が1日目はヘラヘラしていたのですが、2日目は良い音だった、恐ろしくて最高だった。話の中で意味を持つ音であることがしっかり伝わりました。ダムラウの「Perdona a' lunghi gemiti e prega il ciel per me」の高音域に跳躍する部分の跳躍先の音が絶叫系だったのが気になった。それ以外はよかったし、何よりテステがお仕事をしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最後のお歌みんな大好きベッリーニ作曲「Casta Diva(清らかな女神よ:ノルマ)」です。カスタディーヴァ調子良い。この日の盛り上がり方は納得です。1日目はなぜ壮大な拍手をもらっているのか疑問でした。1日目にめちゃくちゃ気になった「a noi volgi il bel sembiante〜」の「bian」の音符の処理。強調して歌う必要がある部分が全て流れてしまって1つの音符のような歌い方になっておりましたが、2日目は大丈夫でした。よかった。よかった。めでたし。めでたし。悔いなく帰宅できました。アジリタ部分は流石ですね。最後の最後までよく完璧にこなせるものだ。素晴らしいです。しかし、「Fine al rito」以降いる?終わりにしておけばいいのに。だんだん力任せになっていくのが気になった。(因みに1日目は私の中で歌ってはいないことになっているようです。)

 

 

 

 

 

 

 

 

アンコール曲は1日目と同じお歌でした。整っていない歌声に過剰なお芝居がただ好き勝手歌っている人のような印象だった1日目のドニゼッティ先生作曲「Quel guardo il cavaliere(騎士はあの眼差しを)」は、お歌のラインがとても綺麗で、ただの小声(ピアニッシモになっていないピアニッシモ)も存在せず、可愛らしいノリーナちゃんを楽しめました。2曲目プッチーニ先生作曲「O mio babbino caro(私のお父さん)」もとても丁寧な歌声。力で押すような歌い方はせず、通り道が真っ直ぐな綺麗な声でした。「Mi piace,e bello bello」部分の高音域に上がるときは最初に小さく出してからだんだん声量を上げていくような歌い方。出来るのかい!と思わずツッコミたくなった。1日目のシャウトはなんだったのでしょうか?最後の音のピアニッシモも綺麗すぎた。響きを保ったまま声量を落として永遠に伸ばす。よくそんなに伸ばせるものだ。

 

 

 

 

 

正直もっと素敵な歌声が聴けると思っていましたが、そういうこともあるそうです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

テステ

とてもよかった(1曲目以外)。1日目はなんだったのかと言いたいくらいよかった。ダムラウを引っ張っていくテステも見れた。

 

 

 

 

 

 

テステの1曲目のトマ作曲、Je t’implore oh mon frère(私は貴男に懇願する、おお、兄上よ:ハムレット)」は1日目と同じような感じでした。テステの全てが棒読みっぽ聴こえてしまう問題を考えるお時間になりましたが(?)、原因はわかりました。歌うときに1つ1つの音を無駄に切ります。音と音の繋がりが弱くて流れが綺麗にできないことによって、棒読みっぽくなります。丁寧に歌おうとすると音が分離するタイプかもしれない。やる気がないというよりやる気出して空回りみたいな感じ?1日目で感じた高音域になるとお約束のように喉があがってくる様子はなかったので、1日目よりはいい演奏だったと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

2曲目のグノー作曲「Sous les pieds d’une femme(一人の女性の足元に:シバの女王)」はテステの十八番(知らんけど)。これねー、めっちゃ良かった。お歌もお芝居もよかった。コンサートでもしっかりオペラを観せて(聴かせて)くれる来日歌手が多かったなか、1日目では全くオペラ要素を感じず、のど自慢大会の傾向強めでしたが、この曲はしっかりオペラだった。「Je t’implore oh mon frère」(上の曲)で感じた音が繋がらない感じがない。流れが綺麗で美しかった。細かい音型は潰れて気味だけど、全体的に芯のある歌い方。王様が歌うお歌ですが、政治のお歌でも権力のお歌でもなく、自分の心の中の愛を歌うお歌で、歌声自体の芯はあるけれど、表現と表情自体は柔らかく、自分で自分の気持ちに「俺アホやな。」と言いたげな、いい意味での軽さ。オペラの場面が見えてくる表現が本当に好きです。「Soliman,ô folie!」の「ô」の発声が狭くなく、シャウト気味でもなくてよかった。

 

 

 

 

 

 

ヴェルティ先生飛ばして4曲目は我らがチャイコフスキーです。曲は「Любви все возрасты покорны:(恋は年齢を問わぬもの:エフゲニー・オネーギン)」です。テステさん!!!なぜ!!!1日目にそれをやらないの!!!本当に素晴らしかったです。グレーミン公爵を舞台上に確認できました。出だしの「Любви все возрасты покорны〜」部分とその後のオーケストラの掛け合いは1日目に引き続きよかった。歌声にオーケストラが追いかけてくる感じは美しいものです。「Онегин,я скрывать〜」部分のオネーギンへの呼びかけとその後のか歌詞が繋がる感じは変わらず。ブレスする必要はないと思うし、無駄に切る必要もない気がすますが、「オネーギンッ」とか「オネーギンン」(文字に起こすとダサい)みたいな感じで少しでもいいから「,」をアピールしてほしい。視線の位置を変えるだけでもいいと思うよ。「я люблю Татьяну」の部分ではタチヤーナさんの名前をとても大切に歌われていましたね。愛しているのが伝わります。ありがとうございます。その後「Среди лукавых, малодушных〜」からの謎加速はなしで、2日目は巻きの指示はなかったみたいです。加速はするけれど丁寧な加速でした。この部分は加速と歌詞の詰め込みもあってか進むにつれて声が詰まってきてしまう感じがあった。そして肝心の2回目の「Любви все возрасты покорны〜」部分。出だしがものすごくピアニッシモで抑え気味に歌う。1回目との違いがよくわかった。同じ歌詞ですが、2回目の方がより噛み締めているような歌い方。素晴らしいです。2回目の「я люблю Татьяну.」の「Татьяну」をとても強調していてオネーギンへの牽制か?もしくは愛が爆破したか?と思いました。歌い方自体は良いです。好きです。このお歌はどの曲よりも丁寧に歌っていたような気がした。ただ1日目からお願いしたかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

以上です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1日目は疑問ばかりだった。

2日目はテステが頑張ってダムラウも良くなった。

1日目だけだと不完全燃焼の消化不良を起こしたと思うので、2日間行ってよかったと思います。

アジア旅行ツアーお疲れ様でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ということで、5月終わりですー。

6月も引き続きシュトラウス祭りです。わーい。

チャイコフスキー祭りもやりたいー。

 

 

 

 

 

 

 

ではまた劇場で。