三島の見解

古の女子高生

【バレエ】スワン・レイク・オン・ウォーター

2023年8月13日(日)12:00公演

国際フォーラムA

ウクライナ・グランド・バレエ

SWAN LAKE ON WATER スワン・レイク・オン・ウォーター

~ついに、ほんとうの水を得た『白鳥の湖

 



 

 

 

 

 

 

 

 

お世話になっております。

三島でございます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

白鳥の湖では何を楽しむべきですか?

→オデットさん(オディールさん)の肩甲骨美

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この日はバレエを観に行きました。

白鳥の湖をオーケストラ演奏で聴きたいなあと思ったのが動機です。

去年の8月にも白鳥の湖を劇場で観ているので来年の8月も観れるといいなあと思っております。

バレエ好きなのになかなか劇場に行かない人である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

国際フォーラムAに入ったのは何年ぶりでしょうか?

大きい会場ですよね。まさに「フォーラム」って感じー。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この日も元気に当日券勢でございました。当日の朝に当日券情報は見つけられなかったのですが、まあ売っているでしょうと思いとりあえず会場へ行きました。案の定売ってました。私はえらいのできちんと現金を準備して行きました。良席がないリスクはあるけれどその日のテンションで決めていい楽さがあるので当日券が癖になりそうです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本公演は面白い副題がついておりまして、

 

「ついに、ほんとうの水を得た『白鳥の湖』」

 

 

だそうです。面白いっす。「ついに!待望の!あの!ほんとうの!水を得た!白鳥の!湖!」みたいな感じですかね?ついに夢が叶ったのかな?おめでたい!感想はこの後に書きますが、水を使った演出自体はかなり面白いものでしたし、何より視覚的に美しかったです。でも副題が面白いです。悪口じゃないです。面白いです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

では感想いってみよー。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あのー、音楽を聴きたくてここまで来たのだけれどもー

とてもとても上手じゃなかった。白鳥の湖というド定番クラシックミュージックをそこまで微妙に演奏できるのって難しくない?なに?夏の挑戦?真夏の大冒険?白鳥の湖のオーケストラ演奏が聴きたくて来たのですけれども??

 

 

 

 

 

 

 

まず、全体的に音が小さい。会場が大きすぎる所為なのか会場の音響問題なのかわかりませんが、全員が大きな音を出して良さそうな部分が多い曲(1幕の乾杯の踊りや3幕の各国の踊りなど)はまあ聴こえるけれどそれ以外の演奏の音量が小さくて、頭の中に「小さい音量で放送しております。」とテロップが出ていた。幕間や休憩時間にチラホラと音楽が小さいと口にしている人がいらっしゃたので私だけの問題ではなさそう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

音量の問題はもしかしたら会場のせいかも知れないので目を瞑って、演奏の話をしましょう。とりあえずしょぼいのです。おチャイコ先生(チャイコフスキー)のバレエやオペラなど、物語性のある作品は導入部分がとても美しく幕が上がるまで(=序曲が終わるまで)に物語の世界に連れていってくれる感覚を味わうことができます。情景っていうくらいだからな。この導入部分をしっかりやってほしい。譜面から音楽を起こしてほしい。出だしの音から違うのだ。平面的すぎてただ音符を追っかけているだけじゃないですか。もっと世界へ誘うように演奏してほしい。1幕のワルツや乾杯の踊りはそれなりに聴けたけれど。いや、ワルツのトライアングルの音が悪目立ちしていた記憶がある。曲中での変化が少ない(というと語弊がありそうだが)ものはそれなりに良かったが、表現が試されるものはことごとく落としてる感じが否めない。2幕の白鳥たち大行進の場面も白鳥たちが出てくるまでの「くるぞ!くるぞ!」という煽り(ではない)がほしい。心を躍らせたいというか、なんか始まるぞーみたいな感じがほしいよね。例によって同じことを繰り返しているわけで。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

王子とオディールパ・ドゥ・ドゥの弦楽器さんが大変。

(↓このあたり)

youtu.be

 

 

 

 

 

 

言葉を選ばないで言う!!

 

 

 

 

寝てたんか?

 

 

 

 

 

この前の上昇音型の勢いを、盛り上がりを引き継ぎつつ、心臓を鷲掴みにしてくるような切れ味の非常に良いナイフのような音がほしい。美しすぎて苦しくなるような音楽がほしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

良いおチャイコ先生に出会えてないなあ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お水とプロジェクションマッピングと踊り

本公演の目玉であるお水を使った演出は思ったよりも美しい仕上がりになっておりました。2幕と4幕はめちゃくちゃ浅いプールの上で踊り、1幕と4幕は噴水みたいなお水演出がちょっとだけありました。お水のバシャバシャ音が最初は気になりましたが、慣れてさえしまえば照明に照らされる水飛沫の美しさが踊りを引き立てていて視覚的にとても美しく楽しかったです。白鳥たちはトゥシューズを履かずに特殊な白い靴下のようなものを履いて踊っていました。水溜りの中をトゥシューズで踊る危険性を考えれば当然ですかね。履いていないことは特に気にならず、むしろ履いていないからこそ安心して観ることができました。集団で踊ることを考えれば誰かが滑ったら共倒れになる危険性もあるので安全第一でありがたい。しかし、オデットさんはトゥシューズを履き水溜りの上で踊っておりました。安全を考えてなのか回転は少なめで踊りもゆっくりのテンポではあった。転ばないか心配しているこちらをよそに安定した技術で踊り続ける。水飛沫すらコントロールしているかのように飛び散る水滴までも美しく、主役を張るバレリーナとしての強さと覚悟を感じました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

プロジェクションマッピングは安っぽくなるななあと感じることが多いので特に意識を向けずに観ていましたが、各幕の冒頭映し出される「Swan Lake」の文字と文字背景の水面が綺麗でした。1幕・2幕は城の中を映し出し、風が吹いたり旗が降りたり戻ったりしていました。3幕の冒頭の映像は外からお城を周り中に入るような映像。中に入るまでは白鳥(もしかしたらロットバルト)目線なのかな。疑似鳥体験。外が雨なの推せますね!1番好きなのは2幕の冒頭で映像で映し出された白鳥からオデットさん(本物)に変わるところです。誰でも思いつきそう(言い方)ですが、誰でも思いつくことをクリアにやるのって難しいですよね。安直になりがち。映像の白鳥が煙に巻かれて本物のオデットさんが登場したときの美しさったら!最高!舞台装置はほぼなく舞台後方の段差と段差をつなぐための階段のみ。それでも楽しめたし白鳥の湖の世界が成立するのだなあと。でも、そもそも豪華絢爛な舞台装置が必ずしも必要な作品ではないか。2幕・4幕はそもそも何もいらないし。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1幕

朝早い(12時)からかオーケストラさんがいまいちだからかテンションの上がりきらなさを感じました。先日のパリ・オペラ座バレエ団(以下パリオペ)の自家発電自己発光力を思い出すと物足りない感じはある。比べてはダメだけれども。王子の仲間達の踊りが全体的にぼやぼやしていた。ただ衣装が可愛い。全員の衣装が葡萄を連想させる色使いで美味しそうでした。パ・ドゥ・トロワは明るめの紫色の衣装。その他女性陣は濃い紫色の衣装の下に見えるスカートが薄い黄色で葡萄の中身までも再現していた。完全に葡萄。王子は葡萄ジュースでママも葡萄ジュース。乾杯の踊りに繋がりますね(適当)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パ・ドゥ・トロワは空中滞在時間の短さが気になったが、これも先日のパリオペ観劇による後遺症でしょう。(あのお方たち重力のかかり具合おかしいからな。)派手さはないけれど安定した技術と自信ありげな表情にほっこりしながら見ておりました。その後の乾杯の踊りはみんな元気になりましたが、1幕は乾杯の踊りで幕切れだったので、元気になったところで次にはつながらず。乾杯の踊りで男性陣がジャンプして正面斜め前で着地する振りの着地の方向が各々の斜め前すぎて面白かった。バラバラだぞー。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

王子がプレゼントにもらった弓矢をみんなに見せびらかすときに王子が弓を引く仕草をした後、若干名が飛ばした矢の方向を見つめているのが可愛かった。室内で飛ばすな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2幕

小さな4羽の白鳥の踊り(手を繋いで踊るやつ)は4人×3組の大容量パックでございました。始まったときは1組で良くない?と思いましたが、大容量パックよかったです。小さな4羽の白鳥の踊りの振り付けはお水演出のためにあるのかと思うくらい水の跳ね方が綺麗で相性の良さを感じました。アンコールをお願いしたいほどです。最後のポーズで水溜りに膝をつくの嫌じゃないのかなあと勝手考えていました。大きな白鳥の踊り(この言い方であっているのか?)はロットバルトの手下みたいな男性陣が頭上から水を浴びながら踊っていました。クラシックバレエよりかはアクロバディックな振り付けで水溜りに体を浸けながら頑張っていました。物語というより水アピールのための踊りなんだろうな。(大きな白鳥の踊りだったか不安になってきました。でも1曲がロットバルトの手下に乗っ取られていたのは事実。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オデットさんは登場した瞬間から美しく吸引力が途切れることがない。真ん中で踊る人に相応しい圧力。舞台から目を逸らさせない力で客席の集中力を切らさない。これぞ主役。これぞバレリーナ。1幕で感じたぼやぼや具合はどこかにいき、自身の美しさで舞台を支配しておられました。特に足を後ろに上げたアチチュードのポーズが美しい。上げている足に一切の隙がなく、つま先や膝の角度も足の付け根から全部綺麗。ポーズといえど力で止めているわけではなく、エネルギーの流れのようなものを感じた。上げている足が美しすぎて軸足の記憶がない。腕の動きも背中の筋肉も一生見ていられるくらいの美しさ。お水演出に傾いているので芝居や感情表現(ほぼマイムなし)がないが、踊り一本で魅せることができるオデットさんだった。素晴らしい。バレエやオペラやミュージカル問わず真ん中に立つ人にはこのレベルの吸引力がほしい。興味なかったはずなのについついオペラグラスで追っかけちゃうような、推しが別にいるのにこの人を見ておかないと損をするな、と思わせてほしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3幕

パーティーに遅刻をかましてくる王子さんまじかっけー。

 

 

 

 

 

スペインの踊りの男性陣(2人)の闘牛士風衣装がお洒落すぎてずっと眺めていたかった。女性陣(2人)と黒組と白組になっているのもよかった。女性陣の振りで体をそらしてセンスで床を叩くのが好きすぎる。体柔けー。その他各国の踊りと花嫁候補の踊りは1幕に続き派手さはなかったけれど踊りとしては楽しむことができるレベルでした。どの衣装も可愛い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オディールさんは2幕のオデットさんと変わらず安定した踊りと抜群の吸引力。王子が霞む。オディールさんが王子に掴まれた手を離す振り付けは「バシッ!」という感じではなく「スッ」と引き抜くようなタイプでした。オディールさんまじ余裕。3幕もアラベスクとアチチュードを楽しんでいたら終わった。本当に美しい。最後のフェッテは回転はゆっくりめでした。しかし余裕。大変さを感じさせず必死さもなく余裕の回転。回転していくうちに生じる移動が少なくどこまでもコントロールが行き届いているご様子。去る前の高笑いはしないタイプのオディールさんでした。でも表情が勝ち誇っておりまして、いい女です(?)。ロットバルトは特にでしゃばらずに終幕。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

4幕

プロジェクションマッピングで映される山がなんなのか考えてたらオデットが死んでいたので特に書くことないです。多分K2(違います)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オデットさんが死ぬパターンの白鳥の湖でして、ロットバルトに勝って人間に戻るパターンやあの世で幸せパターンでもなかったです。昨年は愛の讃歌ハッピーパターンだったので死んでしまったことに普通に驚きました。4幕のお水演出が、全幕通してお水の量が1番多かったのかなあ。頭上からお水が降っている時間が長かった気がします。本公演のロットバルトはお水演出を最大限に利用しておりまして、びしょびしょになりながら踊り、ときには水溜りに潜り(潜るほど深くはない)で体張ってた。袖でタオル持った人が待機してるのかね?衣装もレインコートに似た素材に見えました。撥水加工高めだったかもしれません。飛んだり跳ねたりが多いので小物感(雪降ってはしゃぐ人のような)がありましたが倒されるオチを考えれば納得がいきます。倒された後は水溜りに浸かったまま終幕まで舞台上にいたので風邪をひいていないか心配ですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

以上です。

最近はミュージカル観たいなと思うのですが、宝塚(東京)・帝国劇場などはチケットが取れない。

頑張ってチケットを取るほどの意識はない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ではまた劇場で。