三島の見解

古の女子高生

【コンサート】リーダーヴァルト 歌曲の森

2023年10月29日(日)19:00公演

サントリーホール 小ホール(ブルーローズ)

リーダーヴァルト 歌曲の森

 

 

 

 

 

 

 

お世話になっております。

三島でございます。

 

 

 

 

 

 

この日はサントリーホールの小ホールの方へ歌曲のコンサートを聴きに行って参りました。入場前に外から劇場の中を覗いていたらスタッフさんに声をかけられました。不審者ですいません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本公演は「歌曲の森」とタイトルがついております。誰の歌曲を演奏するのかはタイトルに書いておりませんが、まさかまさかのオールシュトラウスプログラムです。誰得?私得!さらに、シュトラウス歌曲課題曲と言われている(言われていない)、「Allerseelen(万霊節)」「Morgen!(明日!)」などは登場せず、マイナーとは言わないけれど決して有名とは言えない曲たちが登場するプログラム構成となっておりました。殺傷能力が高そうな曲たちです。最高。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私はシュトラウスおじいちゃんことリヒャルト・シュトラウスの作品、とりわけ歌曲が大好きでございます。とりわけ歌曲が好きなだけでもちろんオペラも好きだしオーケストラのみの曲たちも履修中でございます。つまりリヒャルト・シュトラウスを拗らせております。

 

 

 

 

 

 

 

 

今年4月から6月にかけては演奏会形式も含めますが、オペラ作品を聴く機会にも恵まれて大変充実したシュトラウス生活(?)を送ることができました。思い出せば3月にも演奏会で数曲だけですが、歌曲も聴いています。なんと素晴らしいシュトラウス生活!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

では感想といきたいところですが、会場の空気感として、興行(営利目的)というよりかは身内向けの発表会気質を感じたので(実際は知らん)いつもの書き方だと演奏会の趣旨に合わなくなる気がします。ですので良かったところをちょっとだけ書きます。発表会ちっくだけど3000円払ったことは書いておこう。

 

 

 

 

 

 

 

 

5人の日本人女性歌手(ソプラノ4人・メゾソプラノ1人)が1人ずつ4〜5曲披露して次の人にバトンタッチという構成でした。休憩は15分。4番目の方と最後の方が比較的お上手でした。

 

 

 

 

 

 

 

まず、4番目の方(宮地さん)が歌った「Wiegenlied(子守唄)」が素敵でした。息を綺麗に長く保つことが求められるお歌ですが、その要望にしっかり答えてました。息の取り方も上手なので、変なところでブツ切れになることなく滑らかに流れておりました。伴奏の細やかなキラキラした音にしっとりとした声が乗っかり大変に美しかったです。「Knospe meiner Sorgen〜」や「Von der stillen〜」などドラマチックになりすぎてしまいそうな部分も誇張せずにスマートに歌っていて大前提である子守唄であるということを守り切ってきるのがとてもよかったです。

 

 

 

 

 

 

「Leises Lied(ひそやかな調べ」」も素敵でした。この曲は技巧的な難しさはないですが、幻想的すぎてつかみどころがなく(めちゃめちゃに綺麗な曲なのですが)、ただ歌うだけだと2分少々劇場内に「?」の時間が発生すると思います。しかし淀みのない音楽づくりと滑らかに音を運ぶ声で曲を楽しむことができました。出だしの「In einem stillen Garten」が声量大きめで「静かな庭で」と言っているのに矛盾だなと思いましたが。伴奏者は3人おりましたが、宮地さんの伴奏をされた方(阿部さん)が1番好みでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

高音が絶叫になることはありましたが、基本的に滑らかさを保ちながら歌えるところは素晴らしいと思いました。ドイツ語の発音で「m」で終わる単語が「mu」と母音が入っているように聞こえることが多かったですが、1〜3番目の方々が声が引っ込みすぎて発音どころではない印象を受けたので母音の有無まで判断できるくらい前に出てきているという風に捉えれば健闘していると思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

最後の方(深栖さん)は終始手が動きすぎて手がうるさい状態ではありましたが、お持ちの声のキラキラ感が素敵でした。「Glückes genug(幸せは十分)」はよく絶叫せずに歌えるなあと感心しました。力任せになりそうなところを丁寧に歌っていた印象。もっと弾けるようなお歌の方が似合いそうな声ですが、しっとり歌うのが似合わないわけではなく、無理しているようにも感じなかったです。両方いける歌手ですかね?4番目の宮地さん同様、息の取り方が自然でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

「Meinem Kinde(わが子に)」は出だしのピアノ伴奏のテンポが早めでちょっとびっくりしましたが、衝撃は最初だけで、曲が進んでしまえば何も気になりませんでした。この曲好きなんですよ。演奏会で聴けてよかった。「Du schläfst und sachte〜」の高音への運びに無理がなく、柔らかく素敵でした。ピアノ伴奏は1番目・2番目の方と同じ伴奏者(児玉さん)でしたが、1番ピアノ伴奏が上手に聴こえたのは深栖さんのときでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3番目の方(村田さん)は低音域が安定していて「Waldseligkeit(森のしあわせ)」の低音域がしっかり歌えると曲の仕上がり度が増すなあと思いました。ただバリバリ歌いすぎたためか中音域のカスカス感は否めなかったです。ドラマチックなオペラアリアの方が映えそうな声でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

以上です。

マイルドな感想。

 

 

 

 

 

演奏会で歌われる頻度の少ない曲たちをひたすら浴びることができたことに感謝致します。

 

 

 

 

 

 

シュトラウスというとワルツの方々が顔を出し、リヒャルトというと楽劇の方が顔を出すので、何とも難しい名前です。リヒャルトの方のシュトラウスさん。シュトラウスさん家のリヒャルトくんです。どうぞお願い致します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ではまた劇場で。